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日刊サイゾー トップ > 連載・コラム  > 働き盛り、60代男性の“逢魔が時”

上島竜兵さん、渡辺裕之さんと働き盛り60代男性の“逢魔が時”

上島竜兵さん語っていた「家族には迷惑かけてるなぁ」

 さて、60代の人気者の自死が続いている。

 5月5日、俳優・渡辺裕之(享年66)の死を、所属事務所が発表した。横浜市の閑静な住宅街で、妻と次女、長男の4人で暮らしていたという。

 5月3日に、自宅の地下のトレーニングルームに入って、昼頃、妻の女優・原日出子が食事の支度ができたと声を掛けようとしたところ、筋トレ器具のそばで倒れている渡辺を発見。救急車を呼んだが心肺停止状態だった。

 渡辺を一躍スターダムに押し上げたのは「ファイト一発」の大正製薬のCMだった。82年から10年以上にわたって出演し続けた。

 俳優としての出世作は86年の昼ドラ『愛の嵐』だった。ドラマで共演した原日出子に惚れて猛アプローチをし、結婚。原には前夫との間に娘がいたが、彼女を渡辺は溺愛したそうだ。

 ドラマもゴルフもプロ級。何にでも徹底的に取り組む性格だったようだ。

 トレーニングも徹底的にやっていたが60になって、体の衰えを隠しきれなくなり、筋肉や関節に痛みを感じるようになってきたそうだ。

 05年には、渡辺が妻に内緒でやっていた投資運用会社が破綻し、約1億円の損害を被ったそうだ。

 コロナまん延も、渡辺からイベントや仕事を奪った。台詞も覚えられず、精神状態も不安定になっていったという。

 いつもは温厚な人が、突然怒鳴るようにもなった。あまりにも自分に完璧を求めすぎたのかもしれない。

 渡辺の自死から1週間後、お笑いトリオ「ダチョウ倶楽部」の上島竜兵(61)が5月11日未明に亡くなった。関係者によると自殺とみられているという。

 文春オンライン(2022/05/11)によると、
「5月10日23時45分頃、東京都中野区の自宅で意識を失っていると119番があり救急搬送されたが、病院で死亡が確認された。事件性もなく、現場の状況からも自殺とみられている」(警察関係者)

 数日前に上島さんと打ち合わせをしたというテレビ局関係者は「あまりに衝撃」と語る。

「『お疲れ様です』と丁寧に挨拶をして打ち合わせ現場に入って来られた。打ち合わせでは『うん、うん』と話を聞いてくれて、スタッフへの対応も丁寧ですごくいい方です。ただ、少し怖さを覚えるほど元気だったのが、いまでも印象に残っています。どんな人か掴めない感じもあったので、心の奥底にはなにかを溜め込んでいたのかもしれない」

 文春オンラインが昨年11月に行った上島のインタビューでは、志村けんを「人生の師匠」と慕い、心からその死を悼んでいたという。

 インタビューした記者はこう話している。

「上島さんは志村さんをはじめ、片岡鶴太郎さん、ビートたけしさんの3人を師と仰ぎ、感謝の言葉を語っていました。『人脈や縁があって今の自分があり、根っからの子分肌』だともおっしゃっていた。芸人さんらしいサービス精神で、なんでも話してくれました。
 ただ、奥様に関する話はあまり気乗りしないようでした。30年近い結婚生活を続けていてもずっと仲睦まじくいられる秘訣をうかがおうと思っていたのですが、『家族には迷惑かけてるなぁと思っています』と、口が重かった。いろいろ話してくださいましたが、『奥さんに怒られちゃうからここはNGね』とおっしゃることもありました。奥様や家族への深い愛情を感じました」

 働き盛りの60代の男が死を選ぶのはなぜなのだろう。50代までがむしゃらにやってきて、60代に入り、ふと、後ろを振り返り、「オレの人生とは」と考える。逢魔が時なのか。(【5/8】 6ページ目はこちら

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