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日刊サイゾー トップ > エンタメ  > 令和世代にフジファブリック、キリンジがささる理由

『関ジャム』令和世代のベストソング4位にフジファブリック、2位にキリンジが入った衝撃。昭和世代ライターがその理由を考察

90年代を代表する「今夜はブギー・バック」はまさかの37位

 20位以上の内容は後で紹介するとして、ひとまず31~50位のランキングから。

31位:椎名林檎「ギブス」
32位:YUI「CHE.R.RY」
33位:King Gnu「白日」
34位:槇原敬之「どんなときも。」
35位:SMAP「夜空ノムコウ」
36位:JUDY AND MARY「そばかす」
37位:小沢健二 featuringスチャダラパー「今夜はブギー・バック(nice vocal)」
38位:ゲスの極み乙女。「私以外私じゃないの」
39位:MISIA「つつみ込むように…」
40位:米津玄師「Lemon」
41位:Mr.Children「Sign」
42位:くるり「ばらの花」
43位:Chara「やさしい気持ち」
44位:小田和正「ラブ・ストーリーは突然に」
45位:モーニング娘。「ザ☆ピ~ス!」
46位:Original Love「接吻 kiss」
47位:KinKi Kids「硝子の少年」
48位:GReeeeN「キセキ」
49位:米米CLUB「君がいるだけで」
50位:久保田利伸 with ナオミ・キャンベル「LA・LA・LA LOVE SONG」

 急に、アラフォーに聞いたみたいなランキング内容になっていて驚いた。いや、そもそも若い世代が昔の曲を知らないという認識が間違っているのだろう。サブスクやYouTubeで、昔の名曲はいくらでも漁れる時代である。

 ただ、31位以下とされる楽曲たちがこんな下位に収まっているという事実が、アラフォーの筆者からすると驚きだ。令和世代からすると世代じゃない平成前半の楽曲は、やはり分が悪い。

 特に、「今夜はブギー・バック」である。今も多くの若手からカバーされているし、個人的にはこの曲こそが90年代を代表する名曲だ。10位以内には軽く入っていると思っていた。

 JUDY AND MARY「そばかす」が36位だったのも、違う意味で意外。JAMには他にもっといい曲(「Over Drive」「くじら12号」等)がたくさんある。サブスクで昔の楽曲に触れるものの、決してアーティストすべてにアクセスするわけではない。サブスクを経由し、特定の名曲にのみ認知度が集中する現象が、このランキング結果には表れていると思う。

 King Gnu「白日」と米津玄師「Lemon」の順位の低さにも驚いた。どちらもトップ10には入ってほしかった曲。イメージとして平成ではなく“令和ソング”の印象が強かったか?

SuchmosがKing Gnuや米津、ヒゲダンの突破口になった平成末期

 続いて、ランキングの11~20位の結果。

11位:スピッツ「ロビンソン」
12位:松平健「マツケンサンバⅡ」
13位:ゆず「栄光の架橋」
14位:サザンオールスターズ「TSUNAMI」
15位:たま「さよなら人類」
16位:モーニング娘。「LOVEマシーン」
17位:椎名林檎「本能」
18位:MONGOL800「小さな恋のうた」
19位:修二と彰「青春アミーゴ」
20位:Suchmos「STAY TUNE」

 Suchmos「STAY TUNE」には、意義があったと思う。彼らの出現によって音楽シーンはトンネルを抜け、彼らを突破口にKing Gnuや米津玄師、Official髭男dismは世に出たという印象がある。リリース当時、「STAY TUNE」はJ-WAVEで本当によくかかっていたものだ。

 修二と彰「青春アミーゴ」のランクインもサプライズ。なんと、KinKi Kids「硝子の少年」より上である。明らかに、アラフォー世代の価値観とは異なる。ドラマ『野ブタ。をプロデュース』(日本テレビ系)を含め、直撃世代ということになるのだろう。

 そういう意味で、MONGOL800「小さな恋のうた」もドラマ効果があったはずだ。この曲は、山下智久主演『プロポーズ大作戦』(フジテレビ系)の挿入歌だった。「小さな恋のうた」が有線で火が点いた頃、多くの男子はカラオケでこの曲を歌っていたものだ。

 モー娘。「LOVEマシーン」のランク入りも感慨深い。まさに、社会現象だった。ヒット曲をヒット曲として多くの人が認知していた時代の楽曲だ。「日本の未来は 世界もうらやむ」という歌詞は、決して令和には生まれないフレーズだろう。リリース当時、日本の未来がもっと不景気になるなんて誰も予想していなかったはずだ。

 11~20位における最大のサプライズは、たま「さよなら人類」である。たまは「三宅裕司のいかすバンド天国」出身のバンド。イカ天は『平成名物TV』(TBS系)の1コーナーだったので、完全に平成ソングである。ちなみに、たまと同じくイカ天出身のバンドであるBLANKEY JET CITYとBEGINは、今回の企画でランク入りしていない。

 14位には、サザンオールスターズ「TSUNAMI」がランクイン。『ウンナンのホントコ!』(TBS系)の人気企画「未来日記Ⅲ」テーマ曲として大ヒットし、300万以上を売り上げてサザン健在を知らしめた楽曲だ。これが22年前のリリースという事実に驚愕するが、サザンファンの間ではそこまで人気は高くない曲という印象がある。正直、天才・桑田佳祐からすると凡曲という印象。サザンファンの中で「1番好きな曲はTSUNAMI」と胸を張る人は、果たしているのだろうか?

「マツケンサンバⅡ」のランクインにも驚いた。嫌いじゃないけど、まさか12位とは! サンバと言いながら歌詞と曲調は全然サンバじゃないし、南米と将軍という掛け合わせの意味もまったくわからないけれど、マツケンサンバだ。問答無用に明るくさせる力技が同曲の醍醐味であり、“お祭り感”をこれだけ放出させるのはやっぱりスゴい。まさに、多幸感。「東京オリンピックの開会式はマツケンサンバがよかったのに」と、筆者はずっと思っている。ちなみに、この曲の作曲者は天才・宮川彬良である。

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