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知られざる韓国雑誌カルチャー篠崎愛も表紙を飾ったグラビア誌 軍で盗まれるケースも

 ウェブトゥーンやゲームアプリなど、ウェブコンテンツが強いイメージがある韓国だが、日本ではあまり知れていない雑誌コンテンツも実は豊富に存在する。そこで今回は、男性誌を中心に雑誌カルチャーの一部を紹介していきたい。

 韓国で最も有名な男性誌といえば「MAXIM」を欠かすことはできない。

知られざる韓国雑誌カルチャー篠崎愛も表紙を飾ったグラビア誌 軍で盗まれるケースもの画像1
米国版 右写真:韓国版

 もともと1995年に英国で発刊され、次いで1997年には米国で、そして2002年10月に韓国で1号が発売されたグラビア雑誌だ。韓国版は米国版に比べて露出が少ない傾向があるものの、掲載後に大女優となった元カバーガールもいてある意味、女性韓流スターのアンテナ雑誌的な役割を果たしている。韓国人男性なら誰しも知っている1冊である。

 日本人タレントとしては、過去に篠崎愛が韓国版の表紙を飾ったこともある。現在、YouTubeチャンネルも開設しており、登録者数は約70万人となっている。

 一方、MAXIMを強く意識してつくられた国産グラビア誌が「Crazy Giant」だ。

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Crazy Giant表紙

 こちらも、水着やコスプレなどを身にまとった女性たちのセクシーショットが主要コンテンツ。特徴的なのは、若干、出演モデルの素人感が強い点だ。また、韓国で人気のYouTuberやBJが数多く登場するなど、デジタルチャンネルから人材を発掘するタイプの次世代雑誌という特徴もある。こちらもMAXIM と同様にYouTubeチャンネルが開設されている。

 なお、最近は発売が滞っているようだが、2018年には「VALGRE」という韓国産の月刊グラビア雑誌も創刊されている。

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VALGREの表紙

 こちらはMAXIM やCrazy Giantよりも値段が高額(2200円ほど)なのだが、レベルの高いグラビアがウリで、コア層からは密かな人気を集めていた。一部、韓国軍のショップや刑務所にも納品されている雑誌だそうで、韓国社会における性露出の限界ラインを理解する上で教材的な1冊ともなっている。

 韓国には紹介した3冊のグラビア雑誌以外にも、ファッション、趣味・ライフスタイル、専門雑誌など有名男性誌がいくつもあるが、ここでユニークな1冊を紹介したい。大韓民国・国防部がスポンサーとなり、軍人向けに発刊されている月刊誌「HIM」だ。

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HIMの表紙

 軍関連の人物のインタビューや兵役生活に関するコラム、社会系記事だけでなく、軍服ファッションや男性俳優やガールズグループのグラビアも掲載されている。表紙やカバー企画では、女性タレントたちのアーミーファッションを垣間見ることができる貴重な一冊だ。韓国軍内では、主にトイレに暇つぶしのために同雑誌が置かれているそうだが、数日以内にグラビアページだけが盗まれることが多発してきたというエピソードもある。

 韓国の雑誌事情に詳しい韓国人記者・C氏は言う。

「日本と比べるとその数も少なく、カルチャー自体が未成熟な側面があります。また、海外雑誌の版権を買ってくるビジネスも多いです。ただ、韓国には有象無象の中小出版社が多くあり、なかにはマニアックな内容を扱った雑誌もある。ウェブと連動した仕掛けをしている雑誌も多いので、そのうち日本からでも気軽に内容を知るころができるようになるかもしれません」

 ドラマやK-POPなど、韓国の大衆文化は日本でも広く知られるようになったが、まだまだそのカルチャーの裾野は広いはず。アンテナとなる感度の高い韓国雑誌を探し出すのは、Kカルチャーファンの新たな楽しみのひとつになるかもしれない。

河 鐘基(ジャーナリスト)

リサーチャー&記者として、中国やアジア各国の大学教育・就職事情などをメディアで発信。中国有名大学と日本の大学間の新しい留学制度の設置などに業務として取り組む。「ロボティア」「BeautyTech.jp」「Forbes JAPAN」など、多数のメディアで執筆中。著書に「ドローンの衝撃 」(扶桑社新書) 「AI・ロボット開発、これが日本の勝利の法則」 (扶桑社新書)、共著に「ヤバいLINE 日本人が知らない不都合な真実」 (光文社新書)など。

Twitter:@Roboteer_Tokyo

はじょんぎ

最終更新:2022/05/17 13:00
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