ジャニーズは“おじさん”を受容する器かもしれないーージャニヲタおじさんの多様化論
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ジャニーズの「男性性」とどう向き合うか
私自身、そもそも「おじさん」という存在は、ネガティブな要素が多々あると自覚しています。若い頃に比べれば外見も崩れやすい、それももちろんあります。ただ、どんなに外見に気を使っても、年長者の男性というのはその存在だけで、威圧的、攻撃的になりがちです。また世に言う「おじさん」たちが持つ価値観が時代錯誤であることも多いです。長年同じ価値観に縛られてきたことによる偏見と、無自覚な社会的マウントから、失言を生む「おじさん」も少なくありません。多くの人が、男性に対してこうした「おじさん」的要素に意識的になると、幻滅する傾向が大きいように思います。おそらくそれは、正常な感覚であると個人的に認識しています。
ジャニーズというのは、良くも悪くも、保守的なアイドル文化です。多くの女性を魅了する男性アイドル、という出自ゆえ、男性的な魅力がジャニーズの大きな柱であることは間違いなく、それを否定するつもりもありません。とは言え、男性が上位に立ち女性を魅了するという構図は、一見して時代錯誤で前時代的なものと捉えられかねません。ジャニーズのタレントがキャリアを重ねたとき、そこに「おじさん」的要素を感じられると、このネガティブなイメージはそのまま、ジャニーズのイメージに跳ね返るリスクを孕んでいます。
しかし私は、ジャニーズには性別や世代を超えた魅力があると理解しています。男性が持つ魅力を軸にしつつ、さまざまな表現、価値観、生き方が、ジャニーズには詰まっているのです。タレントの数が増え、時代も変わり、多様化も徐々にではあるものの着実に進んでいます。そうしたジャニーズの魅力を多角的に伝えて、アイドル文化を少しでも豊かにしていければ、という思いも少なからずあります。
私の中で1つ、印象的な作品があります。KinKi Kids堂本光一くんが主演と演出を務めるミュージカル「Endless SHOCK」です。初めてこのステージを観たのは、2015年のことです。2000年に「MIKENNIUM SHOCK」というタイトルで始まった今作は、当時で既に16年の歴史がありました。最初に観たときは、驚きや感動がとても強かったです。しかし、そこからさらに年を重ねるごとに、堂本演じる主人公「コウイチ」はじめキャラクターたちの人間性をクローズアップした深みのあるシナリオに進化し続けていることに気づきました。ジャニーズの中でも一つの理想的なキャリアの重ね方として、このステージを観ています。「ジャニヲタおじさん」としてさまざまな感想を表現していく中で、大きな影響を受けた作品の1つと言えます。
「Endless SHOCK」に限らず、老若男女、もちろん「おじさん」も楽しめる普遍的な面白さがある、それがジャニーズの魅力だと思います。そして「おじさん」という立場で「ジャニーズ」を語る者として、メインターゲットとなるファンの方とは違った目線で、パブリックイメージに留まらない魅力を伝えたい、それが私の表現したいことです。世の中のあらゆるものは、多様化しています。「おじさん」も多様化の一部として存在しているという意味でも、「ジャニーズ」と「おじさん」というミスマッチが、一つの多様性の形として、多くの方に少しでも親しんでいただければ、と勝手ながら思っています。
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