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日刊サイゾー トップ > エンタメ  > 『シン・ウルトラマン』に込められた特撮愛

『シン・ウルトラマン』と『シン・ゴジラ』世界線はつながっている? “特撮オタク”庵野秀明のディープなリスペクト

「『シン・ゴシラ』とつながるのか?」問題

 本作の公開を前にして、今年2月には『シン・ゴジラ』『シン・エヴァンゲリオン』『シン・ウルトラマン』『シン・仮面ライダー』のユニバース(世界観)を共有する企画「シン・ジャパン・ヒーロー・ユニバース」プロジェクトが発表された。

 しかし、このプロジェクトに関しては、商品展開を見据えて、あくまでキャラクター展開としてのコラボ企画のように感じられる。今までにも一番くじの企画や、ユニバーサル・スタジオ・ジャパンのアトラクションなど、積極的に展開されてきていたものを、より具体的に表明したものと見られる。作品自体がつながることは、権利関係上では難しいこともあるだろう。

 ところが、『シン・ゴジラ』と『シン・ウルトラマン』に関しては、はっきりとは言及されていなくても、世界線がつながっている可能性を感覚的に否定できない。

 今作に登場する禍特隊も、『シン・ゴジラ』の後で、怪獣(禍威獣)に対抗できる組織を作る必要に迫られたという設定であれば、自然な流れにも感じられる。それがゴジラのことだとあえて言及はされなくても、観客側が感覚的につなげることは可能だ。

 実は『ウルトラマン』においても、54年の『ゴジラ』につながる裏設定が存在している。67年に出版された『怪獣大全集1:円谷怪獣の秘密』(ノーベル書房)によると、科学特捜隊のムラマツキャップは、ゴジラの生態研究で知られる山根博士の助手をしていたことになっている。

 児童誌やムック本の設定情報は、たびたびブレることがあるし、『ウルトラマン』と『ゴジラ』は正式な続編としては認知されていない。もちろん、作中で言及されることもない。だが、そういった裏設定があるのは事実だ。

 これを特撮オタクである庵野が知らないとは思えないだけに、『シン・ゴジラ』の世界の延長線上の物語として、『シン・ウルトラマン』が存在する可能性は否定できないのだ。

『シン・ウルトラマン』
2022年5月13日(金)公開

■出演:斎藤 工 長澤まさみ 有岡大貴 早見あかり 田中哲司 / 西島秀俊 山本耕史 岩松 了 嶋田久作 益岡 徹 長塚圭史 山崎 一 和田聰宏
■企画・脚本:庵野秀明
■監督:樋口真嗣
■音楽:宮内國郎 鷺巣詩郎
■主題歌:「M八七」米津玄師
©2021「シン・ウルトラマン」製作委員会 ©円谷プロ

映画公式サイト:https://shin-ultraman.jp 
映画公式Twitter:@shin_ultraman

バフィー吉川(映画ライター・インド映画研究家)

毎週10本以上の新作映画を鑑賞する映画評論家・映画ライター。映画サイト「Buffys Movie & Money!」を運営するほか、ウェブメディアで映画コラム執筆中。NHK『ABUソングフェスティバル』選曲・VTR監修。著書に『発掘!未公開映画研究所』(つむぎ書房/2021年)。

Twitter:@MovieBuffys

Buffys Movie & Money!

ばふぃーよしかわ

最終更新:2022/05/14 07:00
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