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日刊サイゾー トップ > 連載・コラム  > 『ローマの休日』早見沙織に注目
今週の『金曜ロードショー』を楽しむための基礎知識⑨

『ローマの休日』意外と見たことない古典『金ロー』 新ヘプバーン早見沙織に注目が!

『ローマの休日』意外と見たことない古典『金ロー』 新ヘプバーン早見沙織に注目が!の画像1
ローマの休日(写真/GettyImagesより)

 今週の金曜ロードショーで放送されるのは、映画ファンには普及の名作として名高い『ローマの休日』。

 オードリー・ヘプバーンの初主演作にして彼女の名を一躍広めた作品で、観たことがないという人のほうが少ないと思われますが、ひょっとしたらタイトルだけは知っていて観るのは初めて……という人のために、70年に渡り語り継がれるこの名作を説明しましょう。

 ヨーロッパ某国の王女であるアン(オードリー・ヘプバーン)は、各国を表敬訪問の真っ最中。最後の訪問国であるイタリアのローマにやってきた王女は昼は要人、政府関係者らと会い、夜は舞踏会に出席という過密スケジュール。とはいえ彼女のすることといえば誰かもわからない相手と形だけの挨拶をし、形だけの笑顔を取り繕うのみ。その上、立場がある彼女はベッドに入る時も気が抜けない。パジャマを着たいといっても、豪奢なナイトガウンしか許されない。

「世の中には何も着ないで寝る人もいるそうよ」

 なんて言っても従者に咎められるだけ、ついに彼女はヒステリーを起こしてしまい主治医に鎮静剤を打たれてしまう。耐え切れなくなった彼女は、部屋を抜け出し夜のローマに飛び出す。しかし鎮静剤の影響で虚ろな状態のまま広場のベンチで横になってしまう。そこを通りがかったのは、アメリカから王女の取材のためにやってきたローカル新聞紙の記者ジョー(グレゴリー・ペック)。王女を酔っ払いと勘違いした彼は、自分のアパートに連れ帰って介抱する。

 翌日、王女の急病を伝える新聞の一面に載った顔写真を見てびっくり、昨夜の酔っ払いがアン王女だったのだ!(記者なら外国の要人の顔ぐらい覚えとけよ!)。

 ジョーは自分の職業がバレていないことを利用し、王女のスクープをモノにしてボーナスをいただこうと上司と賭けをする。

 アパートで目が覚めたアンはほんの1時間ほど、気晴らしに外出するつもりが一晩も外で過ごしてしまったことに気づいて愕然。これまで一国の王女として立場に縛り付けられていた彼女は「一日でいいから、自由に過ごしたい」と、ジョーの案内でローマの観光地を巡る。それはたった一日だけの“ローマの休日”だった……。

 ロマンティックコメディの古典中の古典であり、「やんごとない身分の者が素性を隠して市井の生活に潜り込む」という物語の『ローマの休日』はその後あらゆる作品に影響を与え、映画、演劇、小説、ドラマ、漫画と数えきれないほどの類似作が生んだだけでなく、あまりに擦られ過ぎて元ネタが『ローマの休日』だとわからないぐらいになってしまった(それぐらいの影響力ってこと)。劇中最も有名な「真実の口」のシーンも、あらゆるところで引用され続けている。

 約70年も前の作品でありながらまったく古びておらず、モノクロ作品だというのに色褪せない魅力を放っている。

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