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TBS金ドラ『インビジブル』脱落者続出か…視聴率の下落の要因は「警察の無能っぷり」?

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ドラマ公式サイトより

 TBS金曜ドラマ『インビジブル』の視聴率が落ち続けている。4月15日の初回放送時点では世帯視聴率9.4%(関東地区・ビデオリサーチ調べ/以下同)とまずまずのスタートだったが、第2話で7.0%と2ポイント以上も落とし、5月6日放送の第4話ではついに6.4%までに下落した。

 視聴者脱落の要因と思われるもののひとつが、「警察の無能っぷり」だ。第3話では“犯罪コーディネーター”のキリコ(柴咲コウ)が、「演出家」と呼ばれるクリミナルズ(警察も把握していなかった凶悪犯の呼称)の情報を提供したが、近くで張り込んでいた磯ヶ谷(有岡大貴)となぜか連絡がつかない。その理由は、近くのコンビニのトイレを借りる際に無線を外していたというお粗末なもので、まんまと容疑者を逃し、新たな被害者を生んでしまう。キリコの「警視庁って、そんなにできない人の集まりだとは知らなかった」と言い捨てるシーンに、SNS上の視聴者たちからは「視聴者の声を代弁してる」「同意しかない」といった意見が上がっていた。

 ほかにも、挙げていくときりがない。キリコが要人として身柄を確保されている施設・通称「民宿」を警護しているのはいかつい外見の警察官だが、初登場となった第2話であっという間にキリコに手懐けられ、運び込まれた豪華な食事を嬉々として志村(高橋一生)にすすめる「召使い」ポジションに。第3話でも、志村とキリコが勝手に外出した際に運転手として同行しており、志村と別れたあとはキリコの単独行動を易々と許している。

 そして今夜放送される第5話では、ついにキリコが民宿を抜け出してしまうようだ。予告映像には、志村が「あいつがいません!」と焦って電話する様子が映されていたが、視聴者にとってはなにひとつ意外ではない。「今回は特に警察ポンコツすぎない? 態度デカい割になんもできなさすぎて笑うんだが」「キリコのこと誰もマークしてないのもダメでしょ警察」など、ツッコミの嵐が起こっている始末だ。

 警察ドラマはリアリティを意識したものと、そうではないフィクション色の強いものとに分けることができるが、『インビジブル』は明らかに後者だ。無論、すべてにリアリティを追求することは野暮であるが、ストーリーのご都合主義をどこまで許容できるかは人それぞれである。限度を超えれば、楽しんでいた視聴者だって冷めてしまうのは必然だろう。『インビジブル』における“トンデモ警察”はさすがに度が過ぎる印象があり、その点で、このドラマは危うい立ち位置にいる。そのあたりが視聴率にも現れているのではないだろうか。なお、オリコンが毎週発表している「ドラマ満足度ランキング」においても、4月29日に発表された4月12日~4月18日放送を対象としたランキングにて初回放送がなんとか6位につけたが、翌週、第2話は早くもトップ10圏外となってしまっている。

 徐々に“コント”的な雰囲気も出始めてきており、「リアリティ路線ではないですよ」と訴えかけているのは伝わってくるが、それならそれで、相応の世界観をもってドラマを作り上げてほしいものの、今のところ中途半端に終わっている印象だ。今夜は第5話で、ストーリーのほぼ折り返し地点にあたる。後半戦に入る前に、今一度視聴者を惹きつけることができるのか踏ん張りどころだ。

■番組情報
金曜ドラマ『インビジブル』
TBS系毎週金曜22時~
出演:高橋一生、柴咲コウ、有岡大貴(Hey! Say! JUMP)、堀田茜、谷恭介、大野いと、平埜生成、板垣李光人、西村元貴、結城モエ、田中真琴、村井良大、酒向芳、原田泰造、桐谷健太
脚本:いずみ吉紘
主題歌:「Tiny World」Dragon Ash(Victor/MOB SQUAD)
音楽:得田真裕
プロデューサー:佐藤敦司、浅野敦也
編成:東仲恵吾、佐藤美紀
演出:竹村謙太郎、棚澤孝義、泉正英
製作:TBSスパークル、TBS
公式サイト:tbs.co.jp/invisible_tbs

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東海林かな(ドラマライター)

福岡生まれ、福岡育ちのライター。純文学小説から少年マンガまで、とにかく二次元の物語が好き。趣味は、休日にドラマを一気見して原作と実写化を比べること。感情移入がひどく、ドラマ鑑賞中は登場人物以上に怒ったり泣いたりする。

しょうじかな

最終更新:2022/05/17 14:55
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