庄村聡泰(ex-[Alexandros])、SixTONES『CITY』全曲聴いて“くそう。好きだ。”
#SixTONES #庄村聡泰 #ショウムライター
アルバムの締め方も圧巻
“SixTONESとグレートな1日を過ごそうぜ!”とのインタールードからファルセットが耳をくすぐる「8am」は正にタイトル通りの内容であるのだが、ここで遡って「WHIP THAT」から聴いてみるとその、些か分裂気味とも言えるバリエーションの豊富さには舌を巻く思いと言うか「俺同じグループのアルバム聴いてんだよね……?」と不安すら覚える思いだ。何なんだお前等は。何でも出来るのか。くそう。好きだ。
そんな気持ち悪い告白を経てこれはもう思いっ切りツボな「僕が僕じゃないみたいだ」。疾走感溢れるバンドサウンドを更に後押しするホーンとストリングスは90年代に慣れ親しんだおっさんの大好物であり、それはたまらんの一言である。しかしここでもまた「マスカラ」へと遡ってみるとその些か分裂気味とも言える(中略)くそう。好きだ。
と思ってたらあれ、そん次もツボだぞこれ「Ordinary Hero」。これはもう超大好きなm-floを思い出しながら聴いてしまった。だって1サビ後のラップの歌い出しが何つったって”How you like me now”なんだもの。”How you like me now”っつったらあの名曲なんだよくそう超好きなんだよなあ未だに聴くんだよなあそう考えりゃサンプリングに生楽器多めな点なんかも共通項あっかもなあ。ついでに随所に鳴るハモりギターからは、これまた超大好きなodd foot worksなんかも香ってきやがる。これはもう、くそう。好きだ。ならぬ、クソ好きだ。である。
(m-floのハウユーライクミーナウ)
(odd foot worksでちと思い出した浪漫飛行機って曲)
思わず口汚くなってしまった文体をキレイさっぱり洗い流してくれる「Your Best Day」。うん、まるでこうなる事を予見されていたかの様な流れにおっさんは平身低頭の思いだ。すまん。俺が悪かった。
さあ、ここまで大ボリュームの12曲を経て『CITY』はまだまだ続くのである。が、このインタールードは何だろう。サイレン音が鳴っている。何すかこれひょっとしてゴッサムシティか何かなんですか?
イントロからしてシリアスなモードの「Fast Lane」。”Race”や”V16″などの歌詞から前インタールードのエンジン音との繋がりを示唆させるが、続く「Good Times」ではまた、趣きが変わり再びのゴスペル調の楽曲を聴かせる。歌詞を読み込むとここの2曲では”仲間”に焦点が当てられており、どうやらこの街はゴッサムシティでは無かったらしい。荒んでなかった。良かった。
未だ忘れられず、そして冷めやらぬ恋心を美しいアルペジオの響きに乗せて歌われる「Cassette Tape」。世界中で連綿と歌われ続けられて来た心情ではあるが、そのキーアイテムとしてまさかレトロなカセットテープを持って来るとは。光りまくっている演出を更に倍増させる情感たっぷりの歌声。こいつぁ効くぜ……ぐすん。
壮大なリズムと荘厳なコーラスで聴き手を圧倒させる「Dawn」。サビ裏に切り込んでくる高音フェイクがたまらなくカッコいい。個人的にはこっちがスパイダーマンでも良かったんじゃないか(映画のラストバトル終わりは”Dawn”即ち夜明けであった)と思うくらいの1曲であり、実質のラストはここであろう。
しかし、これではちと重過ぎるのだ。勿論このまま、圧倒されたまんまでも良い。良いのだ。だが、このままでは本当に先に記した通り、何なんだお前等は。何でも出来るのか。くそう。好きだ。の続きとして、でも、何だか余りに凄過ぎて、おっさんの入る隙が一切ないではないか。くそう。それでも好きだ。になってしまうのだ。おっさんは出来ればこう、もっと素直に”好きだ”と言いたいのだ。素直に推したいのだ。だからそう、最後にこう、華やかな、大団円的な、ついでにおっさんにもフレンドリーなポップでシャレとるヤツを1発……
と、続くのが「Strawberry Breakfast -CITY ver.-」である。
思いっ切り華やかで大団円でポップでシャレとる曲であり、ある意味本作の中で1番”らしい”曲でもあり、MVでフられまくるSixTONES(リンク:https://youtu.be/-YP_I9C7i4o)の姿はおっさんの目にもとてもフレンドリーに映り、更にはそんなおっさんに主演女優賞までくれると言う贅沢この上ない締め方であった。
そして、
主演女優賞を頂いたと言う事は、
とても丹念に、
マスカラを塗らなければならない。
SixTONESの『CITY』を聴き込む事により、かくしてこのおっさんにはマスカラを塗る理由と、その為に必要な指を大切にしなければならない確たる理由が出来たのであった。
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