暴かれる映画界性被害…水原希子勇気ある告発、土屋太鳳起用方法にも違和感
#セクハラ #パワハラ
いつの時代でも、どんな業界でも、セクハラ・パワハラというワードは残念ながら付き纏う。
今年の春、映画監督の榊英雄から「性行為を強要された」と数人から告発があった。被害にあっていたのは、過去に榊が開催したワークショップなどに集まった女優の卵や新人たち。報道によると、監督という自分の立場を利用し、キャスティングなどをチラつかせ、ことに及んでいたのだから、確信犯でしかない。
その一報を受け、公開予定だった榊が監督の映画『蜜月』は、世に出ることなく幕を閉じ、一方、これまで封じ込まれていた女性たちの声が各方面で一気に噴出している。
「性被害にあったことを恥ずかしいことと自分を責めてしまい、人に話せない被害者も多いんです。特に互いに面識がある場合、加害者からの報復や、自分が被害に遭った側でありながら公になって誹謗中傷を受けるリスクを鑑みて、ひとりで抱え込む人も。今回の榊さんの映画は性被害がテーマだったので、無神経にもほどがあるし、2017年頃から日本でも#MeToo運動が活発になって、世論が味方になってきた今だから告発できたというのもあるでしょう」(新聞紙記者)
モデルの水原希子も度々、仕事で受けたセクハラなどに立ち向かってきた1人として有名だが、コメントをするだけでも関係のないところにまで飛び火している様子からは、勇気をもって声をあげることの難しさが垣間見える。
日本映画界の性加害に韓国でも注目が…「水原希子は性被害の上に民族差別まで…」
園子温、榊英雄、木下ほうから、映画監督や俳優に対する性被害が続々と告発されている。一連の出来事は、隣国・韓国でも大々的に取り上げられているようだ。 韓国で特に大きく...芸能界という少し特殊な場では、“枕営業”や“性的搾取”などの噂が長らく見過ごされてきていたが、実力や才能、個性を武器に仕事を得たり与えたりするのが至極真っ当なはずだ。例え加害者側が主張するように「合意があった」としても、それを自分の性の捌け口に利用するなど、おかしな話である。
これまで榊の作品に何度も出演し、プライベートでも仲がいいという俳優の木下ほうかも、榊の件から派生し相次いで女優たちに告発された。
木下ほうか、もともと評判はよくなかった…明るみになる映画業界の体質
ベテラン芸能リポーターの城下尊之氏が、とかくあおり・あおられがちな芸能ニュースをフラットな目線で、おちついて解説! ――映画監督の榊英雄に続いて、榊と親しい俳優の木下...“演技指導”の名目で自宅に呼び出し、卑劣な行為に及んでいたようだが、木下自身も下積み時代が長く、やっと陽の目を見たからこそ、熱心に演技について学ぶ姿勢の若手の気持ちが分かっただろうに、それを逆手にとるとは、言語道断である。
榊監督に続き…木下ほうかの「性加害」報道で思い出される20年前のあの騒動
性被害を題材にした映画『蜜月』を手がけた榊英雄監督が、複数の女優から「性行為を強要された」と告発された騒動が波紋を広げているが、ここに来て3月24日発売の「週刊文春」...続いて、鬼才として知られる映画監督の園子温も、その流れで告発された。園が女優たちに手をだしていることは昔から有名で、悪評が絶えなかったという。
園子温監督、「キムタク権威主義を批判」の裏で“権威をチラつかせた性加害”の二枚舌か
映画『愛のむきだし』『ヒミズ』『冷たい熱帯魚』『地獄でなぜ悪い』などでコアな人気を誇る園子温監督が、女優らに性行為を強要していた疑惑が浮上している。 「週刊女性PR...園子温監督「法的措置」表明も復帰はムリ? 女優事務所のボイコットは不可避
映画『愛のむきだし』や『冷たい熱帯魚』などを手がけた園子温監督による性加害問題。『週刊女性』2022年4月19日号(主婦と生活社)では、園監督が監督という強い立場を使...園の作品自体は、国内外で数々の賞を取るなどファンも多いが、監督ひとりでは映画が作れないのは言うまでもない。役者、スタッフ、観客、様々な人たちにリスペクトがなければ、一過性のものでしかなくなってしまう。
映画界のダークサイドが次々と明かされるたび、業界内と我々との価値観の違いの大きさに面を食らった人もいるだろう。
今年2月に公開された映画『大怪獣のあとしまつ』の作品でも、多くの人が違和感を抱いていたようだ。
土屋太鳳は出演を後悔? 酷評相次ぐ『大怪獣のあとしまつ』の「セクハラ演出」
Hey! Say! JUMPの山田涼介が主演を務める2月4日公開の映画『大怪獣のあとしまつ』が、2月5日~6日の全国映画動員ランキング(興行通信社)で初登場3位となっ...もちろん作品には台本があり、選べる立場でありながら、こちらは「合意の上」で演じているのだから、役者として腕を見せる一環で挑戦したのだろう。しかし、多くの人が愉快に思えない度を越えた演出で、観客が共鳴できないのもいかがなものか。
そして、忘れてはいけないのが、いつも女性側が被害者であるとは限らないことだ。
河瀬直美監督の“腹蹴り”報道はアンチ勢力のリーク? 文春砲”追撃”もあるか
映画界の闇はまだまだ深いのか――。 2009年にカンヌ国際映画祭でアジア人、女性では初の受賞となる功労賞「黄金の馬車賞」に輝き、昨年の東京五輪で公式記録映画『東京...2009年にカンヌ国際映画祭でアジア人、女性では初の受賞となる功労賞「黄金の馬車賞」に輝き、日本を代表する映画監督の1人である河瀬直美は、ジェンダー平等が叫ばれる昨今において、希望の存在だった。
セクハラもパワハラも、力のある立場の人が弱い立場の人に対する横暴な振る舞い、という構図は同じである。数々の生々しい被害が告発され、映画そのものや監督業をはじめ、エンターテインメントという全体の印象を悪くした彼らの責任は大きい。そして、公になっているいないに関わらず、被害を受けて未だに苦しんでいる人がいること、取り巻く環境から才能や夢を諦めて去った人がいることも忘れてはならない。
蔓延っていた悪しき風習がフィクションであってほしいと願うが、これら一連の告発によって一掃され、日本の映画界や演劇界が一層盛り上がっていってほしいものだ。
サイゾー人気記事ランキングすべて見る
イチオシ記事