『家、ついて行ってイイですか?』「夢が叶わなかった」心優しき青年は、再び“ヒーロー”になった
#テレビ東京 #家、ついて行ってイイですか?
ジョニーウォーカー狂の男性の“利きウィスキー”
夜の小岩駅前でスタッフが声をかけたのは、48歳の独身男性。ロケ日は2021年12月14日、気温は5℃だというのになぜかTシャツ姿である。
――今日、半袖で寒くないですか?
「俺、1年中こんな格好なんで。寒いっちゃ寒いですけど、逆に風邪引かないために。せいぜい、風邪引くのって1年に1回くらい」
小学生の半ズボン理論じゃないんだから。というか、1年に1回なら毎年風邪を引いてるわけで、風邪になりやすい部類である。とにかく、面白そうな人だ。スタッフは、この男性に「家、ついて行ってイイですか?」と尋ねた。
「どうしようかな……。かなり汚いんですけど、いいですかね? とりあえず1人暮らしなんで、全然問題はないんですけど」
というわけで、男性の家までついて行くことに。到着したのは、築35年で家賃6万1千円の1Kだった。家に入る前、男性は明かしてくれた。
「ジョニーウォーカーグッズを集めてます。スコッチです」
ウィスキーの、あのジョニーウォーカーのことだ。ジョニーウォーカーファンというのも、またニッチな世界だが。
部屋に入ると、意外だった。お洒落な部屋なのだ。来る前は「汚くしている」と言っていたが、むしろ綺麗にしていて驚いた。グッズを集めているだけに、物は多い。いや、物が多いのに綺麗にしているのだから、それはセンスがあるということ。断舎離して綺麗な部屋にするより、よほど大変だと思う。彼に店を任せたら、いいバーを作りそうだ。さっきのスーツアクターの部屋との落差……。
壁にはジョニーウォーカーの看板やネオンがそこかしこに貼ってあるし、ジョニーウォーカー専用の冷蔵庫もある。特に目を引いたのは、マネキンを使って製作したジョニーウォーカーのロゴマーク(赤いジャケットを着てシルクハットを被り、ステッキを持ってるやつ)の自作マネキンである。製作費は、しめて5万円。
「毎日、ジョニーウォーカー像と乾杯しながら飲んでます」
グッズ収集のきっかけは、懸賞でたまたま当たったジョニーウォーカーのMDウォークマンだったらしい。
「10年前にキャンペーンをやってて、『はがきを送ったらオリジナルグッズが当たります』というので当たったんです。それでふと、『ジョニーウォーカーグッズ集めてみようかな』と」
10年前の賞品がMDウォークマンだったという証言は勘違いな気もするが、とにかくこれを機に彼のジョニーウォーカー狂いは始まった。
「やっぱカッコいいし、飲みやすいし、香りがスモーキーな感じというか。今までのウィスキーとは違ったんですよね。試しに他のスコッチと飲み比べてみたんですけど、ジョニーウォーカーが一番美味いと思いました」
ここで、スタッフは持ちかけた。今、目隠しして他のウィスキーと飲み比べしても、ジョニーウォーカーを判別できるのか否か?
「たぶん、わかると思いますけどね(笑)。『これはジョニーウォーカーじゃないな』っていうのはわかると思います、本当に飲み比べしたら」
早速、スタッフは近所のスーパーでウィスキー3種を買ってきた。シーバスリーガル、バランタイン、ホワイトホース。いいチョイスだ。これにジョニーウォーカーを加え、4種のウィスキーを目隠しして飲み比べする“利きジョニーウォーカー”が行われた。何年間も毎日飲んでいる人ならば、サービス問題だと思うが……。
まず、最初に口にしたのはバランタインだ。
「美味いけど、ジョニーウォーカーじゃないですね。ジョニーウォーカーは個性的なんですよね。さっき飲んだの(バランタイン)は、なんか平凡な感じ」
「私が飲んだのは、ジョニーウォーカーではありません!」といったところだろうか? 続いて口にするのは、ホワイトホースだ。この4種の中では、最も飲みやすいウィスキーだと思う。
「これっぽいんだけどな。……これです」
違いがわからない男だった彼、クイズに失敗してしまった。ホワイトホースは甘口だし、ジョニーウォーカーとは全然違うのに。そして、ここで流れる「Let It Be」。いや、レリビーじゃないよ!
――今、飲んだのはこれ(ホワイトホース)です。
「マジですか、似てるけどなぁ(苦笑)。これはこれで美味いですけどね。今度からこれにしようかな。(ホワイトホースのロゴを指し)この馬の像を作ります」
簡単に揺らぐジョニーウォーカー狂いの彼。酒ならなんでもいいタイプだったか? でも、ホワイトホースは激安だし、番組的にはいいオチだ。久々に「家つい」感のあるおじさんで、面白かった。
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