「うしろシティ」解散後それぞれの活動が示唆する進化した芸人のあり方
#お笑い #解散 #檜山豊
テレビや営業が必要なくなった芸人が次に切るもの
営業に関してもテレビとは違うプレッシャーが襲ってくる。現在人気がある芸人と営業が一緒になった場合、自分たちの出番になったらあからさまに人が減る。それでも30分間ネタやトークを続け、笑いを起こさなければならない。もし芸人が自分たちだけだったとする。この場合ももちろんプレッシャーはある。果たして自分たちだけで人は集まるのかどうか。もし集まらなかったらイベント自体が失敗になってしまうのだ。
テレビや営業しか無い時代ならまだしも、芸人自身が自分の出演する場所を選べる時代に、誰が好きこのんでテレビや営業をしたいと思うのか。ましてやYouTubeやオンラインサロンである程度稼げるとしたらなおさらだ。
もし芸人がテレビや営業を捨てたとしよう。そうなってくると次に不必要なものは何か?
それは芸能事務所である。
ほとんどの芸人がなぜ、芸能事務所に所属しているのか。例えば若手芸人であればテレビのオーディション情報を知る為のツールとして、ある程度知名度があればテレビや営業のオファーを貰う窓口として。さらにテレビ業界にいるのなら、後ろ盾があった方が舐められないからなどの理由である。
つまりテレビ業界にいる為に必要なものであって、それ以外で必要になることはほとんど無いのだ。その証拠にテレビ業界に見切りをつけた芸人たちがこぞって所属事務所を離れフリーになっている。
この数年で芸能界が急速に進化し、僕らが子供の頃に見ていた芸能人だけではなく、新たな形の芸能人が少しずつ登場する。これにたがわず芸人も2種類に分別される。それは昔と変わらず、子供のころから憧れてきたテレビという場所を目指す芸人、もうひとつはテレビ界に囚われず、新しい自分に合った場所を目指す芸人の2種類。
「うしろシティ」は結果としてその2種類の芸人が混在したコンビだったのかもしれない。
変化真っ只中のテレビ業界だが、進化するのは業界にとって決して悪い事ではない。テレビだろうがサブスクだろうが、視聴者を楽しませたいという気持ちは同じなはずだ。まだまだ交わるには時間がかかるだろうが、お互いが切磋琢磨し、いつか交わったときにさらなる進化を見せてくれることを願っている。業界も「元うしろシティ」も。
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