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日刊サイゾー トップ > カルチャー  > 新堂冬樹が語るBLと作家姿勢

新堂冬樹が新連載でBLを!? 人気作家の作品に対する姿勢と近年の出版業界について【インタビュー】

脇役でも主役と同じくらい設定に気を配る

――『溝鼠』シリーズのようなノアール小説(※犯罪や暗黒街を題材とした小説)から先ほどの『忘れ雪』のような純愛小説まで、本当に多作ですが、その書き分けって何か意識されているのですか。

新堂:僕の読者はノアール小説を”黒新堂”、純愛小説を”白新堂”と称してくれているのですが、実際のところ人生に黒も白もないと考えています。

 人って本当に些細なきっかけで英雄にも犯罪者になるじゃないですか。そういった意味で白も黒も表裏一体なんですよ。

――表裏一体……なるほど。では物語を作る上で大切にされていることってありますか。

新堂:登場する全キャラクターが、キャラ立ち(※個性を際立たせること)するように強く意識しています。

 極端な例でいうと、1ページしか登場しないキャラクターであっても血液型とか性格とか、細かく最初に設定します。

――1ページしか登場しないって、脇役にもってことですか。

新堂:はい。脇役でも主役と同じくらい手を抜きません。

 例え本編で活躍しないキャラであっても、そうすることによって物語に厚みが生まれるんですよ。だから例えば撃ち殺されたのが脇役だったとしても、キャラ立ちさせている分、読者の心には響くんですよね。

 あと、連ドラと同じというか、次回も読みたいと強く読者に思ってもらえるような物語構成になるよう意識しています。僕の作品はジェットコースター小説なんてよく言われます。トイレに行く暇も与えないようなスピーディーに展開させ、読者をとにかく作品に引き込ませるんです。

――デビューから20年以上経過し、出版業界も不況云々で変わったと思うのですが、作家から感じた変化はありますか。

新堂:僕に限った話ではないのですが、昔は単行本といえばハードカバーでの出版だったけど、最近ではソフトカバーでの出版が増えたように思います。コスト削減なんでしょうね。出版不況は確かにあって、『忘れ雪』がいま出版されても200万部は届かないかもしれませんね……。

 でも悪いことばかりじゃないんですよ。その分、電子書籍が紙の売上減をカバーしてくれたりもします。ダウンロードで売れるっていうのは昔にはなかったことなので、現状を一概にダメとも言えないですね。

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