沖縄食文化を描く『ちむどんどん』の裏で… “食のアメリカ占領” で不健康県へ
#沖縄 #ちむどんどん
4月11日から放送が始まったNHK連続テレビ小説「ちむどんどん」も第4週目に入り、物語の舞台も1964年(昭和39年)から再び本土復帰1年前の1971年(昭和46年)に戻った。
沖縄北部のやんばる地域の山原村(ドラマの中の架空の村)を元気いっぱいに駆けずり回ったヒロインの比嘉暢子(のぶこ)も、子役の稲垣来泉(くるみ)から黒島結菜(ゆいな)にバトンタッチされた。
何にでも前向きな暢子は美味しいものを食べることと、作ることが何よりも大好きだ。ドラマの中でも一家が何を食べるかが丁寧に描かれる。
うすい塩味の「島豆腐」、型に入れ固める前の「ゆし豆腐」、そば粉ではなく小麦粉を使い中華麺に由来する製法の麺を使う手打ちの沖縄そばに、ラフテー(豚の三枚肉の煮つけ)にイカスミ汁と、登場するどの料理も美味しいだけでなく、健康に良さそうだ。
化学調味料を用いず、自然から与えられた具をそのまま使い調理し食べるから沖縄の人は健康で長生きなんだと思いきや、「健康長寿県・沖縄」はとうの昔に崩壊し、今は全国と比較しても高い比率の肝疾患や糖尿病患者を抱える不健康県となってしまっていた。
どこへ行った世界一の長寿県・沖縄
沖縄はかつて長寿日本一と称賛され、1995年(平成7年)8月18日には当時の太田昌秀知事が「全人類の幸せの道しるべとなるよう沖縄が世界長寿地域だと宣言する」と高らかに述べている。しかし、それも遠い昔の話となりつつある。
厚生労働省が2017年(平成29年)12月に公表した「2015年(平成27年)都道府県別生命表によると、沖縄県の平均寿命は女性が87.44歳と全国7位で、前回調査(2010年)の3位(87.02歳)から順位を落とした。男性に至っては全国36位の80.27歳で前回調査の30位(79.40歳)からさらに順位を下げた。
【資料:都道府県別にみた平均寿命の推移】
https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/life/tdfk15/dl/tdfk15-03.pdf
厚生労働省は1965年(昭和40年)から都道府県別生命表を5年ごとに作成し、沖縄県は本土復帰後の1975年(昭和50年)からデータに加えられるようになった。
女性の平均寿命は2005年(平成17年)までずっと1位を維持してきたが、2010年(平成22年)で初めて3位と順位を落とし、今回、7位とさらに順位を下げた。
更に、沖縄には「26ショック」という県内の医療関係者の間で今も語り継がれる言葉がある。1995年(平成7年)は4位だった県内の男性の平均寿命が2000年(平成12年)の調査でいきなり26位に急落したのだ。
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