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企画のフリー素材サイト「企画倉庫」誕生インタビュー

『めちゃイケ』『ガキ使』の放送作家がYouTubeで使えるネタを無料開放!禁断のサイト「企画倉庫」解禁

『めちゃイケ』『ガキ使』の放送作家がYouTubeで使えるネタを無料開放!禁断のサイト「企画倉庫」解禁の画像1
撮影/二瓶彩

 YouTubeやTikTokといった動画メディア、Podcastなどの生配信アプリなど、誰もが手軽にコンテンツを生み出せる現代。ただ“手軽”と言いつつ、いざ始めるとなって困るのが『企画を考える』こと。

何かやりたいけど、どんなことをしていいか分からない―。
始めてみたけど、早々に企画がなくなってしまった―。

 今年1月、そんな需要に応える画期的なサービスが始まった。

『めちゃ×2イケてるッ!』(フジテレビ系)『シルシルミシル』『くりぃむナントカ』『激レアさんを連れてきた。』(すべてテレビ朝日系)『ダウンタウンのガキの使いやあらへんで!』(日本テレビ系)の「笑ってはいけない」シリーズなどの番組に、放送作家として参加してきた深田憲作氏が作ったのは、企画のフリー素材サイト「企画倉庫」。

 動画や音声配信で自由に使える企画案を「ゲーム」「クイズ」「ドッキリ」「検証・やってみた」「トークメイン」などのジャンルに分けて、現在1600個以上を掲載している。

 常に新しい番組を考えたり、番組が始まったら始まったで、その中で行う企画を提案し続けなければいけないのが放送作家という仕事。放送作家として長く活躍してきた深田氏が、なぜ自らの財産とも言える企画を無償で公開しようと思ったのか? そして、国民総クリエイター時代とも言える未来について話を聞いた。

バラエティ企画の考え方に方法論はない

『めちゃイケ』『ガキ使』の放送作家がYouTubeで使えるネタを無料開放!禁断のサイト「企画倉庫」解禁の画像2
撮影/二瓶彩

―今回、なぜ、『企画倉庫』というサイトを作ったのか、教えてもらえますか?

深田憲作(以下、深田) 近年、YouTubeなど誰でも配信できるプラットフォームが台頭して、映像制作のプロ以外にも日々企画を考える人が劇的に増えましたよね。プロだけでなく、そんな“セカンドクリエイター”と呼ばれるような人たちも含めて企画を考える全ての人を応援したいと思ったからですね。実際にサイトを始めてみて、Twitterなどで強く反応してくれたのはそういう人たちです。彼らはプロではないので、放送作家とかの裏方を雇う余裕はなくて、でも自分でなにか考えて発信したい、っていう人たち。このサイトはYouTube制作者向けに構想して作ったのですが、音声メディアで配信をする人たちから「ありがたいサイトが出来た!」という声を多くもらったことは想定外でした。要はラジオとかPodcastとかで生配信をしている人たちが、企画倉庫のトーク企画案を使ってくれているんです。

―確かに0から企画を考え続けるのって大変ですよね。だから放送作家という職業も成り立ってきたと思うんですけど。

深田 今、ネットとか書籍とか動画でも「どうやって企画を考えるか」っていう話は世の中に溢れていますよね。でも、僕はそれらの手法のほとんどに再現性がないと思っていて。例えば、2つのキーワードをランダムに抜き出して並べて、そこから企画を考えるとか、センスがないとできなくないですか?(笑)

―つまり、バラエティの企画の考え方には方法論がないってことですか?

深田 色々な放送作家に聞いても「企画はなんとなく考えてます」っていう感じで明確な手法を持っている人は少ないんですよね。方法論で考えられるものではなくて、センスでしかないというか……。でも1つだけ再現が高い企画の考え方があるとすれば、“既存の企画をズラす”ということだと思ってて。例えば、『ぐるナイ』(日本テレビ系)の「ゴチになります」は【グルメ×値段当てクイズ】の構造になってますよね。それを【グルメ×嫌いな食べ物当てクイズ】にズラしたら『食わず嫌い王決定戦』になるわけです。グルメで他にクイズ企画が出来ないかなと考えて「カロリーを当てるクイズはどうかな?」「お母さんの作ったカレーを当てるクイズはどうかな?」という具合にズラしていくっていう考え方です。

―確かにゼロから企画を考えるといっても、突然思いつくというより、既存のコンテンツがヒントになることのほうが多いかもしれませんね。多くの番組に関わって、次から次に企画を考えないといけないとなると、そうしなければやってられないですし。

深田 僕は放送作家1年目の頃からWikipediaとかで調べて、歴代のテレビ企画を一覧にしてまとめていたんです。それを見て、この企画をこうズラしたら面白いかもって考えたら企画が浮かびやすかった。それって放送作家はみんな無意識にやってることだと思うんですよね。自分で考えて何も思い浮かばないときでも、会議に出て他人のアイデアを聞いたら、別の企画が思いつくことがよくあるんです。

―その“ズラし”の元になる企画が並んでるのが『企画倉庫』ってことですね。

深田 そうです。企画案が山程あれば、企画が浮かびやすくなるんじゃないかと思って作ったサイトです。もちろん、そのまま使っていただいてもいいんですけど。自分がやっていたことを、みんなのためにフリー素材にしちゃったということですね。

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