Creepy NutsのR-指定、仲間からの相談にガチ“アンサー”
#ラジオ #Creepy Nuts #みやーんZZ
こんにちは。ラジオ書き起こし職人のみやーんZZです。いつも聞きまくっているラジオの中から興味深かったエピソードを紹介する連載の第65回目。今回は2022年4月25日放送のニッポン放送『Creepy Nutsのオールナイトニッポン』でR-指定さんがラッパー仲間とする「韻の相談」について話していた部分です。
海外のラッパーの間ではリリックを、他のラッパーに手伝ってもらう「コライト(co-write)」などが盛んに行われているものの、日本ではまだまだ「リリックはラップを歌う本人が書くもの」という意識が強く、コライトのような手法はあまり一般的ではないということを紹介したR-指定さん。
しかしながら、自分では韻がうまく思い浮かばない場合に、他のラッパーに案を出してもらう「韻の相談」はしばしば行われていると話します。
R-指定さん自身は韻の相談をされるケースが多いものの、英語でうまくつながる韻が思い浮かばない時などは梅田サイファーの仲間で英語が得意なKennyDoesさんに相談をして、候補をいくつか送ってもらうというようなケースはあるんだそう。
そんなR-指定さんが最近受けた、韻の相談例を紹介。沖縄のラッパー、CHICO CARLITOさんから「『マイペース』で踏める韻、ない?」と聞かれ、ラジオ収録前にもかかわらず「回転数、ハイセンス」など韻の候補を考えて送ったR-指定さん。
しかし、チコさんから「ありがとう」という言葉とともに送られてきたラップのボイスメモ音源にはRさんが送った韻の候補はひとつも採用されておらず、「このバース、ヤバいな」と返信したものの、自分が送った案がボツになったことに対するモヤモヤを、心の中に抱えることになってしまったんだそう。
そんなRさんに今度はトラックメイカーのhokutoさんからLINEが届きます。通知画面には「アウストラロピテクスで踏める?」という文面が。「あれ? これ、もしかしてまた韻の相談かな?」と考えたR-指定さんは、通知画面を長押しして既読をつけずに文章を読むテクニックを発動し「今、唾奇とテークくんといるんだけど……」という情報をGET。
沖縄を代表するラッパーの1人、唾奇さんと梅田サイファーのリリシスト、テークエムさん。この2人が「アウストラロピテクス」という言葉の韻を相談してきているという状況を把握したRさんは「これは大仕事!」と本気モードに。 既読はつけず、韻を考えるシンキングタイムを確保したRさんはまず「アウストラロピテクス」で韻が踏める候補を「握手の後、ひれ伏す」「タンスの角、ぶつける」「アホうすのろ死ねクズ」など7個ほどピックアップ。
さらにはそのままラップとしても通用する、文章としてつなげるパターンの韻として「マスクの下の顔を見てみるとアウストラロピテクス。ちょっとアングルを変えてみるとダンブルドアにも似ている」「アウトかもと思いつつ、あくる朝ノリでセックス」「足の小指タンスの角ぶつける アホうすのろ死ねクズ」など、こちらもいくつか案を作成し、それら全ての韻を携帯に打ち込み、すぐにコピー&ペーストして送れる状態にして準備完了。
ついにhokutoさんからのLINEを開き、既読をつけたRさん。「おつかれ! ごめん。仕事終わりで寝てた」とあくまでも今、気づいたかのような返信をした後、数十秒あけてからまずはワードのみの韻の候補7個をペーストして送信。そこからタバコを吸って一息つき、1分ぐらい経ってから文章としてつなげるパターンの韻を送ったんだそう。
そんなRさんからの韻の候補を見たhokutoさんから「ヤバすぎ! Rくん、マジ天才! マジヤバい! 全員ゴンフィンガーだった! 唾奇とか『次元違いすぎて見る気にもなんねえ』って言ってたよ」という返信をもらい、「よしよしよし、これこれこれ! 俺がほしかった反応はこれこれ!」と大きな達成感を得たRさん。
その喜びを噛み締めつつも「そう? でもhokuto、唾奇、テークエムに韻を送るとか、今考えたらめっちゃ緊張するわ。寝起きでよかった(笑)」と返信して再び「寝起き」を強調。天才感を演出したと話します。
しかし、冷静になって考えてみると唾奇さんもテークエムさんもhokutoさんもめちゃめちゃおしゃれな曲ばかり作るアーティストであり、「アウストラロピテクス」という言葉を曲で使うはずがないという事実に気づいたRさん。
「曲の相談でも何でもなくて、みんなで飲んで酔っ払った時に『アウストラロピテクスでなんか踏んでや』『いやいや、無理無理!』『こんなしょうもないので踏めるの、あいつしかおらへんのちゃう?』って相談してたんやなと思ったら、まあすごいムダな努力をしたなと思って。ちょっと恥ずかしくなったんですけどね」と笑いながら話していたのでした。
R-指定さんのカマしっぷりには笑ってしまいましたが、それも「相手にナメられたくない。より良い韻を出して驚かせたい」というR-指定さんのリリシストとしてのプライドゆえの行動なのかなと感じました。お互いにリスペクトし合っているラッパーの皆さんのやり取りの様子が垣間見えて、ラップファンとしてはとても興味深いトークでした!
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