『魔女の宅急便』タイトルをヤマト運輸が問題視!? 実はトラブル続きだった!
#金曜ロードショー #しばりやトーマス #金ロー
大型連休を迎え、日本テレビ系『金曜ロードショー』もGW対応のプログラムということで、今週からは定番企画の2週連続スタジオジブリ特集。第一弾は『魔女の宅急便』だ。
『魔女宅』はスタジオジブリにとって、大きな転機となった作品でもある。1986年の『天空の城ラピュタ』をスタジオ第一回作品としてデビューしたジブリは『となりのトトロ』『火垂るの墓』と続けて発表、マニアの評価は高かったが、絶大な興行成績には結びつかなかった。
作品を発表すれば数十億の興行収入を叩きだす「その後のジブリ」からは信じられない話だが、当時は興行10億円を超えるのがやっと、という状態だった。公開当時、『魔女宅』を配給したのは東映だが、東宝が配給した『トトロ』『火垂る』が儲けが出なかったことから「『魔女宅』が最後で、次回からは配給しない」と言われたぐらい。
ジブリの鈴木敏夫プロデューサーはショックを受け「映画はヒットさせなくてはいけない」と思ったそうで(それまでヒットさせようと思ってなかったのか!)、宣伝しないとお客さんは来ない(当たり前の話だけど)。鈴木プロデューサーは日本テレビに宣伝協力を頼みに行く。ここに後の「ジブリ―日本テレビ」のタッグが誕生する。
しかしここで問題が生じる。タイトルの「宅急便」はヤマト運輸の登録商標だった。一説にはヤマト側がクレームをつけたといわれているが、ヤマトHDは後のインタビューでこの件について「トラブルになったことはない」と回答している。トラブルの有無はともかく、ジブリはヤマト運輸に映画のスポンサーになってもらった。結果、全国の営業所にチラシやポスターが貼られ、テレビでCMが大量に流された。「こころを暖かくする宅急便です。」のキャッチコピーを覚えている人も多いと思われる。
実際にヤマト運輸とのトラブルはなかったが、ジブリ内部では別のトラブルが起きていた。監督である宮崎駿がジブリを解散しようと言い出していたからだ。監督の持論は一スタジオで一作品、同じスタッフで3本つくったら人間関係がダメになる、だから解散だと。
『風の谷のナウシカ』から数えればもう5本目。なのでリセットしようというのだが当然、鈴木プロデューサーが反対。スタジオをつくって初めてヒットさせようとしてるのに、余計なこと言わないでってことかな(笑)。
鈴木プロデューサーの説得を受けて宮崎監督は意見を撤回、晴れて完成へ向けて制作が進められるが、当初70分の中編を予定していた作品は製作が進むにつれ、100分を超える長編に。当然スケジュールは押すことになり製作費は4億円に達した。製作費4億円なら16億円の興行でないとペイしない。当時ジブリ最大のヒットは『トトロ』の約12億円。それを上回ることができるのか?
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