一発でも売れたピスタチオの解散は本当に残念…解散を経験した元芸人の後悔
#お笑い #檜山豊 #ピスタチオ
小澤さんは解散しようかどうかを悩み、相方の伊地知さんはどうやったらまた売れるかを悩んでいた。同じ「悩み」というカテゴリーでも方向性はまったく違う。解決する順番としては解散するかどうかを悩み、そして解散しないと決意した後でまた売れるにはどうするかを悩む。この問題を2人が並列で悩んでいても無意味なのだ。ピスタチオの2人がこの問題に対して順番通りきちんと話し合うことが出来ていたのなら、もしかしたら現状が変わっていたかもしれない。
ただひとつ気になることがある。それはピスタチオが結成12年目ということ。前に芸人の解散を取り上げたコラムでも書いた僕の持論なのだが、コンビが解散する結成年月は3の倍数が多い。何故ならコンビというのは夫婦のようなもので夫婦は、一般的に3~4年で倦怠期になる。つまりコンビにも3~4年で倦怠期が訪れ、それを乗り越えるとまた3~4年後に倦怠期が訪れる。倦怠期になると意味もなく、相手の行動にイライラしてしまい会話自体が減っていく。会話が減ることにより思っていることを話さずに頭の中だけで不平不満が広がっていき、最終的に爆発するのだ。
この倦怠期を乗り越えられないコンビが解散することから、3の倍数である芸歴のコンビが解散することが多い、と考えられる。結成12年目のピスタチオはまさに3の倍数で解散する典型的な形。2人の不平不満は倦怠期によるものだとしたら、2人にはどうすることもできない。お互いがやれることをやり、ただ静かに倦怠期が過ぎるのを待つ。コンビによって年数は違うが倦怠期を繰り返し、気が付くと良い意味でビジネスパートナーになっていつしか、倦怠期が訪れなくなる。この12年目の倦怠期を乗り越えることさえ出来たら解散しなくて済んだのかもしれない。
それにしてもピスタチオの解散は勿体ない。
「一発屋」という表現はどちらかというとネガティブに捉えられがちだが、山ほどいる芸人の中で、一発当てられる芸人などほんのひと握りしかいない。結成2年目で白目漫才を生みだし、そのひと握りに入れたピスタチオは間違いなく運も才能も持っていて2人のバランスも良かったということ。この数年、もがき苦しんでいたと思うが、結成当初のように2人で同じ方向を向いて、もっともがき苦しめばまた何か生みだせたかもしれない。本当に本当にもったいない。
ただひとつ救いなのは小澤さんが吉本興業に籍を置いたままでいるということ。僕は芸人を辞めて本当に、後悔した。また芸人に戻りたい、お笑いをやりたいと何度悔やんだことかわからない。その点、籍をそのままにしている小澤さんはいつでも芸人に戻ることが出来る。しかも伊地知さんと同じ吉本興業に置いていということは、ピスタチオを再結成することも可能だ。何とも羨ましい。本人の意思か周りに言われたからかはわからないが、最良の決断だと思う。
とりあえず今はお互い違う道を歩む決断をした2人。
伊地知さんはピン芸人になり、小澤さんは児童福祉関係の資格取得を目指すとのこと。
2人の未来が明るいものであることを願っている。まあ運も才能も持っている2人だから大丈夫だろう。
サイゾー人気記事ランキングすべて見る
イチオシ記事