素人が決して手を出してはいけない「イジリ」芸の本質「信頼関係」では許されない

「イジリ」と「イジメ」の境界線は「信頼関係」だなんてとんでもない

　つい最近見たYouTubeの動画である女性がこんなことを言っていた。「わたしいじられキャラだったので、小学生の頃からいじられて、それが中学に上がったらいじめに変わって、高校卒業までいじめられた」と。何とも悲しい話である。

　実は僕も小学生の頃いじめられていた。僕はほかの子よりあきらかに太っていて肥満児だったため体型をいじられ、それが悪化し気が付くといじめになっていた。

　この話はさておき正直、一般の人でイジリが出来る人はいないと思う。これを読んでいる人で「俺は出来る」と思っている人はいるだろうか？　もしいるのならハッキリ言おう。絶対に出来ていない。

「イジリ」と「イジメ」の境界線を「信頼関係」という記事を読んだ事があるが、芸人のようにいじられることを商売としていない限り、いくら信頼関係があるとしても、いじられた方は少なからず傷つく。なんだったらそれを生業としていた芸人ですら傷ついて辞めてしまうものもいる。そうなったらイジリではなくイジメになってしまうのだ。

　芸人でもある程度実力がある人間しか出来ない「イジリ」を、一般の人が出来るわけがないのだ。イジリが得意だと勘違いしている方はいますぐ、他人をいじるのはやめていただきたい。どうしてもイジリたいのなら、自分をいじればいい。自虐ネタなら他人は誰も傷つかないから。

　ただ自分が傷ついてしまうなら、自虐ネタもやめるべきだ。いじらなくても人を笑わせる方法はいくらでもある。試しに最近起こった面白い話をすればいい。学校の先生をお母さんと呼んでしまったとか、家の犬が懐かないとかなんでもよい。それで笑わせられたら最高じゃないか。

　あと「イジリ」でマウントをとろうとする人もいる。いじることによりこいつより俺の方が上なんだと。もしそういう人がいるなら、今すぐ辞めたほうが良い。人間はそこまでバカじゃない。イジリでマウントをとろうとする人間は、人としての底の浅さが見える。そんな人間には誰もついて来ないし、誰も敬わない。

　本当にマウントを取りたいならば「イジリ」のように人の悪い所を探すのではなく、良いところを探して褒めてあげるべきだ。そして自分の悪いところを見つけて修正して方が、まわりから尊敬されるに違いない。綺麗事に聞こえるだろうが汚い事より何倍もマシだ。

　さてここまではいじる側のことを書いてきたが、次からは“いじられる側”について書いていく。