日本映画界の性加害に韓国でも注目が…「水原希子は性被害の上に民族差別まで…」
#韓国 #園子温
園子温、榊英雄、木下ほうから、映画監督や俳優に対する性被害が続々と告発されている。一連の出来事は、隣国・韓国でも大々的に取り上げられているようだ。
韓国で特に大きく話題を集めているのが、園子温監督に対する告発だ。
そのことの顛末は、大手メディアを中心に一部始終にわたって報じられている。国際的に活躍する氏の名前は、映画好きが多い韓国社会では日本人が認識している以上に広く知られている。今後、監督自身が韓国の作家や俳優らと仕事をする機会があったとしたら、今回の事件が残した醜悪なイメージを拭いきるのは、想像以上に難しくなると予想される。
韓国では日本に先立つこと数年前、2018年頃から♯metoo運動が広がり各界の著名人たちに対する告発が相次いだ。今回の事件をきっかけに、複数の韓国メディアは「なぜ日本社会では♯metooがなかなか広がらないのか」というような疑問を呈しており、なかには日本の専門家たちの分析を引用して「保守的な社会性のため、むしろ性暴力の被害者たちに後ろ指を立て責める雰囲気がある」と書き立てている。
一連の報道と関連して韓国メディアが注目する動きがもうひとつある。水原希子を取り巻いた騒動だ。
水原は「週刊文春」(文藝春秋)のインタビューを受け、芸能界の性暴力やセクハラについて告発した。その行動は多くのファンから支持を受ける一方で、告発した彼女を責める書き込みがインターネット上に飛び交った。本人がSNSのライブ放送で語ったところによると、そのなかには日本と韓国のダブルである自分の出自を差別する誹謗中傷コメントも少なくなかったという。韓国メディアは「性被害の上に民族差別まで受けるというのは、2次被害そのもの」とあきれ気味に経緯を報じている。
他にも韓国では、坂口拓がYouTubeチャンネルで謝罪したことをはじめ、日本の関連主要報道はすべて翻訳・引用されて報じられている。今後、新たな真実が明らかになれば、韓国でも詳細に報じられるとみていいだろう。韓国のフリーランス記者のひとりは言う。
「韓国では、検察関係者の性被害告白から♯metoo運動が始まりました。その後、芸能界や映画界でも性加害に対する被害が次々と明らかになった。近年では、多数の女性を脅して動画を撮影した前例のないデジタル性犯罪『n番部屋事件』が人々の怒りを買い、性被害に対する関心が一層高まっています。なお事件の一部始終を取材した『サイバー地獄:n番部屋を倒せ』というドキュメンタリー番組も、ネットフリックスで公開されることが決まっています。つまり、韓国国内では性被害に対して世論がものすごく敏感。そのため、隣国である日本のニュースにも飛びついているのだと思います」
ちなみに、韓国メディアは「なぜ日本では被害者が無視され、2次被害を受けるのか」という疑問を呈しているが、実際のところ韓国でも同じような傾向がある。
被害を告白した方がむしろ責められ、「スキがあったのではないか」「嘘をついている」などと誹謗中傷を受けている事例が後を絶たない。♯metoo運動が盛り上がっているとはいえ、性被害問題を捉える韓国社会の認識の変化はまだ道半ばだ。
とはいえひとつ確かなのは、もはやどこかの国の性加害問題はその国だけにとどまらず、世界中を駆け巡るということだ。例えば、韓国ではWTOの事務総長を務めたタイ人政治家、スパチャイ・パニチャパック氏の息子であるプリン・パニチャパック氏が、14名の女性から性暴行容疑などで告訴されたことについて大々的に報じている。
なお調べた限り、日本の映画界の性加害問題は韓国のみならず世界中で報じられているようだ。性加害に対する世界の視線は明らかに変化している。時が経てばきれいに忘れ去られるというものでもない。
今後、告発された日本の映画関係者はどのような対応みせるのか。その一挙手一投足は、世界中から観察され続けるはずだ。
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