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フラット芸能

天竺鼠の瀬下の不倫と活動自粛「破天荒芸人」はもはや許されない時代

天竺鼠の瀬下の不倫と活動自粛「破天荒芸人」はもはや許されない時代の画像1
天竺鼠 吉本興業 公式サイトより

 ベテラン芸能リポーターの城下尊之氏が、とかくあおり・あおられがちな芸能ニュースをフラットな目線で、おちついて解説!

――今度は芸人ですね……。お笑いコンビ・天竺鼠の瀬下豊が、当面の間、芸能活動を自粛することを発表しました。3月に一般女性との不倫が報じられ、4月13日にも別の女性との不倫が発覚。しかもその女性を中絶させるなど、付き合い方もひどいと批判されています。

 昔の時代とは様相がまるっきり変わってしまったように感じますね。かつては「飲む・打つ・買う」という言葉がありました。酒を飲み、ばくちを打ち、女を買うという意味です。特に、噺家さんは「そういう遊びをして当たり前」という時代がありました。寄席にお客さんが来てその入場料を分けていた時代は、私生活にいろいろあっても噺家としての話芸にファンが付き、寄席に客が入っていれば構わなかった。芸人さんでもそういう人は「豪快」「破滅型」ともてはやされらたりもしました。もっといえば、「それが芸人」とさえ言われていたんです。ただし、そういう話は僕ですら伝え聞いている世代なので、隔世の感があります。

――昭和の時代ですね。

 今の芸能人にとっては、テレビに出ることが活動の生命線となっています。テレビに出るにはスポンサーの意向が大事。スポンサーは視聴者の批判やネットの炎上が怖い。違法行為がいけないことは当然ですが、たとえ違法でなくても身辺がきれいで安全なタレントを起用し、少しでも悪いイメージのついたタレントは起用しないほうがいいとなります。

――確かに、瀬下の場合は倫理的にはひどい話ですけど、違法な事案ではなさそうです。

「中絶を迫るなんてとんでもない」という意見もありますが、現状そういう男性は世の中にたくさんいますよね。ただ、こうした女性問題が起きると「芸能活動自粛」が当然という流れになってきました。しかも復帰へのハードルがものすごく高い。アンジャッシュの渡部建さんも2020年6月に活動休止してから2年近く経ちますが、22年2月に活動を再開したとはいえ、いまだに本格復帰には至っていません。

――テレビがダメなら、YouTubeだったらどうでしょう。昔の寄席のように、見たい人が見て、広告や投げ銭機能などで稼げばいいのでは。

 でもYouTuberもどんなに活躍している人でも、批判を浴びたらすぐに謝罪し、場合によっては活動を休止しますよね。

――確かに。

 今はSNSで誰でも簡単に直接批判できてしまう時代ですから、視聴者の意見が大きな影響を与えます。4月15日には、放送倫理・番組向上機構(BPO)青少年委員会が「痛みを伴うことを笑いの対象とする」バラエティー番組について、「視聴する青少年の共感性の発達や人間観に望ましくない影響を与える可能性がある」とする見解を公表しました。「そんなこと言い出したら何もできない」という意見もあります。たしかに、おもしろみがなくなってしまいそう。だからといっていいわけではないのですが⋯⋯。

――かつても『8時だョ!全員集合』にPTAが抗議するなど、その手の話題は昔からありましたね。

 そうですね。現代は、出演タレントが不祥事を起こしたらすぐに謝罪、さらには番組の放送中止、活動自粛へと結びついてしまう時代です。そんな中で完全復帰できた原田龍二さんや三遊亭円楽さんはさすがですね。

城下尊之(芸能リポーター)

立教大学在学時から、サンケイ新聞でアルバイトを行っていた経緯から、卒業後、サンケイスポーツへ入社。スポーツ紙文化部記者となった初日で見習い経験もないうちに、他に大きな事件があったため、「(故)林家三平さん、大病から復帰!」という大事な現場を任された。退社後は、TBS『奥様8時半です』のデスク担当として勤務し、その後、芸能リポーターに転身し、現在に至る。独自に身につけてきた取材能力、ブレーンの作り方等から、芸能界の裏話を交えた、楽しい味付けで話す。

【プロフィールページ】

しろしたたかゆき

最終更新:2023/02/24 11:58
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