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日刊サイゾー トップ > 連載・コラム  > 『名探偵コナン緋色の弾丸』の難点
今週の『金曜ロードショー』を楽しむための基礎知識⑥

金曜ロードショー今週も『名探偵コナン』、地上波初『緋色の弾丸』の難点

金曜ロードショー今週も『名探偵コナン』、地上波初『緋色の弾丸』の難点の画像1
日本テレビ『金曜ロードショー』ウェブサイトより

 今週の金曜ロードショーは名探偵コナン劇場版新作公開記念、2週連続企画の後編、『名探偵コナン 緋色の弾丸』を放送。去年公開された劇場版シリーズ24作目の地上波初放送だ。

 4年に一度行われる「ワールド・スポーツ・ゲームスWSG)」の東京開催に合わせて東京-名古屋間を短時間で結ぶ真空超電導リニアを舞台に、WSGのスポンサーが誘拐される事件が起こる。

 誘拐された人々はすぐに救出されるが、攫われた時の記憶がない。コナンたちは15年前にもWSGのスポンサーが同様に誘拐されていたこと、事件はFBIによって解決されたが犠牲者を生んでしまったことを知る。事件を捜査するFBIの赤井秀一に協力を頼まれたコナンはWSGのスポンサーの護衛を買って出るも、超電導磁石を使ってヘリウムガスを充満させる「クエンチ」で意識を失ってしまい、誘拐は成功してしまう。

「クエンチ」なんて言葉初めて聞いたよ! 聞いたこともないような単語を教えてくれるのもコナンシリーズの特徴ですね。これ、観客もきちんと理解してるのでしょうか?

 コナンの劇場版シリーズは1997年からはじまり、年一本ペース(13年はルパン三世とのコラボ作品が上映されたので2本)で毎年公開されてきたが、20年は新型コロナウイルスの影響で前売り券の発売が延期、最終的には公開も約1年延期が決まり、この年は初めてコナンの映画が見られない年になってしまう。

 一年間のコナン・ロスの後、ようやく公開された映画はシリーズ初のIMAX、4DX、MX4D、DOLBY CINEMA同時上映、上映館数はシリーズ最大規模の全国498館という体勢で幕を開けた。前作『紺青の拳』の興行成績がシリーズ最高の93.7億円に達し、7作連続で最高収入を更新していたことから、初の100億越えが期待されたが、やはり公開延期の上、緊急事態宣言による全国4都市で映画館が休業になるなど、入場者数制限などが災いしたか、最終興行収入は76.5億円止まりに(それでも充分凄いんだけど……)

 現在公開中の『ハロウィンの花嫁』に初の100億越えの期待がかかっているのだが、公開3日間で興行約19億円という数字は『緋色の弾丸』の公開3日間で約22億円をやや下回っており、100億更新は黄信号か…?

 という興行成績がどうこういう話は映画の面白さに関係ないんじゃないの?と思われる人もいるでしょうが、コナンほどの「稼げるタイトル」「長年のファンが固定されている作品」は映画の面白さと興行成績は密接していると言えなくもないのです。

『緋色の弾丸』は原作屈指の人気を誇るキャラクター、赤井秀一をはじめとする“赤井ファミリー”の面々が勢ぞろいする。赤井は日本人でありながらFBI捜査官で、ブルース・リーでお馴染みの截拳道の使い手、しかも超一流のスナイパーという常識を超えたキャラクター。

 その他に羽田秀吉、世良真純、メアリー・世良といった“赤井ファミリー”の関係は複雑すぎて説明するのが難しい。冒頭にナレーションの形でファミリーの関係をざっと説明されるのだが、コナンシリーズを嗜んでいる人間はともかく、この4人の関係が頭に入らないと劇中、何をやっているのか理解しにくいのは問題だったのでは? そして赤井は普段は沖矢昴という偽名を使って変装しているので、よりややこしい!

 しかもこの映画、赤井が出るということでファンの期待も高まったのだが、ほとんどのシーンに出てくるのは変装した沖矢昴の方なので「赤井の出番が少ない!」と嘆いていた人もいたようなので、難しいねえ。

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