アレのどこが面白いの? ~企画倉庫管理人のエンタメ自由研究~
『魔女の宅急便』は「上京あるある」 心細さ切なさ満載で何度も見てもいい
2022/04/28 11:00
#スタジオジブリ #深田憲作 #企画倉庫 #アレのどこが面白いの?~企画倉庫管理人のエンタメ自由研究~
「いちいちハラハラ」のオンパレード
まず1つ目。1人ぼっちで新生活を始めるキキの心情を描くには、話し相手が必要になります。ずっと独り言や心の声でキキの心情を描くのはキツイですよね。かと言って、1人ぼっちの“上京”を描くには親や友だちを近くにいさせるわけにはいきません。
そこで、言葉を話せるネコのジジを帯同させているんです。この「しゃべれるネコ」というのは見事なチョイスだなと思いました。魔女が飼っているネコが言葉を話せる、という設定は全く違和感がありませんよね(これはおそらく原作からあった設定なので、宮崎駿監督が考えたものではないと思いますが)。
2つ目。いちいちハラハラさせてくる。キキは魔女としてかなり未熟。ホウキで空を飛ぶのが下手くそです。そのため、ラストのクライマックスはもちろんのこと、空を飛ぶ時の不安定さでとにかくハラハラさせられます。
これは映画『バック・トゥ・ザ・フューチャー』を大人になってから見た時にも同じような感覚を抱きました。紆余曲折・ハラハラドキドキで主人公がなんとかデロリアン(車)に乗って未来に帰ってきた、と思って安心した矢先、到着した未来で車が小屋に突っ込む、というシーン。
「最後の最後までいちいちハラハラさせてきよんな~」「さすがはスピルバーグ」と、なぜか上から目線で感心してしまいました。宮崎映画も『魔女の宅急便』に限らずこの「いちいちハラハラ」のオンパレードです。やはり巨匠は作品の細部に魂を宿します。
他にも細かく思ったことはありますが、主に言いたいことは書けたので今日はこの辺で。
最終更新:2023/02/28 06:42
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