『カモン カモン』フォトジェニックなモノクロ映像が描き出す、ホアキン・フェニックスと9歳子どもの友情
#映画 #ホアキン・フェニックス #A24
モノクロ映像による、フォトジェニックで反則的なアート映像
今作は全編モノクロ作品である。モノクロにした理由としては、ストーリー自体がシンプルで日常的だからこそ、現実から物語として切り離すためだったということと、クリストファー・ロビンとくまのプーさんの絵や、チャールズ・チャップリン主演映画『キッド』(1921)のような画作りを目指したことも理由のひとつだと、マイク・ミルズ監督自身がインタビューで語っている。
それに加え、今作が非常に反則的ともいえるのは、ニューヨーク、デトロイト、ロサンゼルス、ニューオーリンズの4つの都市が舞台になっていること。映し出される光景のひとつひとつが、どこを切り取ってもポストカードにできるような、フォトジェニックなシーンであふれていることだ。
モノクロ映画といえば、去年公開されたスペインの海辺の田舎町を舞台とした『エル プラネタ』(2021)や、第94回アカデミー賞で脚本賞を受賞した『ベルファスト』(21)、本作と同じく、日本でも4月22日に公開される『パリ12区』(21)、他にも『ライトハウス』(19)や『スウィート・シング』(20)など前例が多くある。モノクロ映像によって、アート性が強調されるということを、あえて語ること自体が恥ずかしくなるほど、当たり前になってきているのだ。極端な話、映画を観ていなくても「アート的だった」と言っておけば、通用するような“魔法のワード”にも聞こえてしまう。
それでもあえて、言わせてもらいたいのは、今作はモノクロアートの山盛り映画ということ。4つの都市を同時に堪能できるのは、豪華な体験ともいえるのだ。
『カモン カモン』
4月22日(金)よりTOHOシネマズ日比谷ほか全国ロードショー
監督・脚本:マイク・ミルズ
出演:ホアキン・フェニックス、ウディ・ノーマン、ギャビー・ホフマンモリー・ウェブスター、ジャブーキー・ヤング=ホワイト
音楽:アーロン・デスナー、ブライス・デスナー(ザ・ナショナル)
配給・宣伝:ハピネットファントム・スタジオ
2021年/アメリカ/108分/ビスタ/5.1ch/モノクロ/
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公式Twitter:@cmoncmonmoviejp
公式Instagram:@cmoncmonmoviejp
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