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世界は映画を見ていれば大体わかる#35

ブルース・ウィリスに続きジム・キャリーも俳優引退? 出演作品で検証するその真相

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ジム・キャリー(写真/Getty Imagesより)

 ブルース・ウィリスが失語症を理由に俳優を引退すると発表したが、同時期にコメディアンで俳優のジム・キャリーも引退を示唆している。

 最近のキャリーは絵本作家としての活動が中心で、俳優としての仕事はスローペースになっており「魅力的な作品があれば続けるかも」(大意)と前置きしながら休業状態に入ると発言。しかし公表した日が4月1日だったのでエイプリルフールのいたずらだという可能性も捨てきれない。今回はジム・キャリーの半生を追って引退宣言の真相を探ってみたい。

 キャリーは子供の頃、父親が職を失ったことでキャンピングカー暮らしを余儀なくされ、キャリーを含め4人の兄弟も働かなくてはならなくなり、一日8時間タイヤ工場の清掃をさせられるなど極貧生活を経験する。

 世界中の人間を皆殺しにしてやりたいと思うほど恨みつらみを募らせたキャリーだったがテロではなく、世間を笑い死にさせる道を選ぶ。15歳で地元カナダの舞台に出演。スタンダップコメディアンとしての活動を始め、高校を中退しロサンゼルスに移住。コメディ番組の舞台に立ちつつ、映画の端役として出演を重ね、1994年の『マスク』に主演。世界中でヒットとなり、一躍スターダムにのし上がる。冴えない気弱な男が仮面を被ることで破天荒な性格に豹変するというアクションで当時最新のVFXを駆使した過剰な演出がバカ受けし、キャリーは特殊効果を越えた異常なオーバーアクションで世間の度肝を抜いた。

 この勢いに乗ってキャリーは製作費1億ドルの超大作『バットマン フォーエヴァー』の悪役リドラーに抜擢。前作までシリーズの監督を務めたティム・バートンから、ジョエル・シュマッカーにバトンタッチした本作と前シリーズの違いはヴィラン(悪役)に対する解釈だ。バートン版のジョーカーやペンギンはやたらにシリアスで「世間からつまはじきにされたことで暗黒面に落ちていく悲しい存在」として描かれたが、シュマッカーはリドラーやトゥーフェイスといったヴィランを悪趣味なほど「どうかしちゃった人たち」と、面白おかしく表現することにした。よく考えたらバットマンだって蝙蝠のコスプレした変なおっさんだもんね。常識で捉えたら。キャリーの過剰すぎる顔芸演技はこのコンセプトにズバリハマり、世間のバットマンファンの評価はともかく、前シリーズを超える大ヒットとなった。

 ドル箱コメディスターとなったキャリーの転機は97年の『ライアー ライアー』。キャリーは適当な嘘と話術で無罪を勝ち取ってしまう一流弁護士だが、誕生日パーティをすっぽかされ、適当な嘘でごまかされた息子が「パパが一日だけ嘘がつけなくなりますように」と神様に祈ると、キャリーはまったく嘘がつけなくなってしまう。ハートウォーミングな結末の本作で、ゴールデングローブ主演男優賞ノミネートとなったキャリーは単なるコメディ俳優ではない、評価される俳優を目指すようになる。

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