ダウンタウンの漫才に隠された芸人たちへの痛烈なメッセージ

　しかし僕は、今回のダウンタウンさんの漫才によって芸人は生涯、ネタをやり続けていかなければならないという方向に目を向けるべきだと感じました。現在、テレビの視聴率が低迷しスポンサー離れの激しい中、そこに求められるものは「お金のかからない番組作り」になりつつあります。装飾のないスタジオや楽屋のまんまで面白い事を出来たら、それが一番関係者に喜ばれることもあるかもしれません。

　お金のかからない芸人の能力として、センターマイク一本あればできる漫才のネタ、椅子があればできるトーク、画用紙があればできる大喜利、は切っても切れない表現方法として重宝される時代になってきつつあります。

　今回、それを思わざるを得ませんでした。

　すでに売れていながらネタに定評がある芸人さんは、テレビや舞台でネタをやる流れになっていくと同時に、これから売れようとしている芸人さんは売れたからと言ってネタに対して手を抜くと、今後しわ寄せがくることになりそうです。

　そして現在売れながらもネタをやり続けている千鳥、かまいたち、EXIT、四千頭身、宮下草薙、霜降り明星、かが屋、空気階段、ハナコ、ミキ、和牛……などなど、ネタも手を抜かない売れている芸人さんが次々活躍し、未来を支える存在になりつつあるのじゃないかと思いました。

　今後は面白い芸人からお金のかからない面白い芸人にシフトチェンジされたのだと、ダウンタウンさんの漫才を見て思いました。