『上田と女が吠える夜』『トークィーンズ』『ドーナツトーク』…ガールズトーク番組大量発生の裏事情
#テレビ #上田と女が吠える夜
テレビ業界には常になんらかのブームが発生しているが、この春にわかに増殖したのが、女性ゲストがメインとなるトーク番組だ。『上田と女が吠える夜』(日本テレビ系)、『トークィーンズ』(フジテレビ系)、『ドーナツトーク』(TBS系)の3番組がレギュラーで放送をスタートしている。
『上田と』は『今夜くらべてみました』の枠で、『トークィーンズ』は『アウト×デラックス』、『ドーナツトーク』は『BACKSTAGE』と、いずれも人気番組の後を受け継いだが、なぜ各局がいっせいにガールズトーク番組に食いついたのか。
「まず考えられるのは、単純に“これまでそういう番組がなかったから”。現在、ゴールデンタイムはトークバラエティが花盛りですが、MCはほぼ男性で、基本的に男性主導でトークが進んでいくので、どれを見ても一緒という印象は拭えませんでした。そんななか、『グータンヌーボ』(フジテレビ系)や『あざとくて何が悪いの?』(テレビ朝日系)といった番組は安定した視聴率を取っていたので、チャンスだと思ったのでしょう。
一方で、ジェンダーやルッキズムに対する意識が急速に高まったことも見逃せません。今や、ジェンダーを無視した発言や容姿イジりはご法度で、これに鈍感な男性タレントの発言が炎上することはめずらしくありませんが、女性が男性に強めの発言をしたり、男性の容姿やファッションをイジっても、炎上することは少ない。炎上リスクが低いことは、制作側にとって大きな魅力です。
一般論として、女性は男性よりもテレビを見ることが多く、購買意欲も高いので、女性がターゲットの番組はスポンサーにも喜ばれる。そういった複合的な条件が重なって、ガールズトーク番組が一気に誕生したのではないでしょうか」(キー局関係者)
いろいろな力学が作用して、一気にガールズトークが増えたということ。ただ、初回から大きな“課題”が見えたのも事実だ。
「女性を使うのは良いアイデアだと思いますが、人数を揃えるのは大変です。『上田と』と『トークィーンズ』の初回では、いとうあさこ、若槻千夏、ファーストサマーウイカと、出演者が3人もかぶっていて、かなり既視感があった。また、『ドーナツトーク』も含めて3番組とも、トークが恋愛系の話題に偏りすぎ。2回目以降の課題になりそうです」(芸能事務所関係者)
救いがあるとすれば、3番組は曜日もチャンネルも違うこと。ただ、田中みな実と弘中綾香がMCの『あざとくて何が悪いの?』は4月から日曜に移動し、『ドーナツトーク』とは放送時間が一部かぶっている。
これらの新興ガールズトーク番組は、生き残ることができるのか?
「そもそも世の半数は女性なのに、女性がターゲットのバラエティ番組が少なかった。女性向け番組はある程度、視聴率が計算できます。ただ、通常のトーク番組なら男性も女性も見ますが、ガールズトーク番組の内容は男性にはほとんど刺さらず、視聴者の多くは女性。男性を切り捨てることになり、爆発的な数字は望めません。その制約の中でどれだけ戦えるか、もしくは従来の常識を壊せるかが、番組を長く続けるカギでしょう」(民放バラエティ番組制作関係者)
生き残るのは、果たしてどの番組か?
サイゾー人気記事ランキングすべて見る
イチオシ記事