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フラット芸能

園子温の性加害報道で新作お蔵入りか―主演は東出昌大、救いの声聞こえず

園子温の性加害報道で新作お蔵入りか―主演は東出昌大、救いの声聞こえずの画像1
園子温(写真/Getty Imagesより)

 ベテラン芸能リポーターの城下尊之氏が、とかくあおり・あおられがちな芸能ニュースをフラットな目線で、おちついて解説!

――園子温監督の性加害疑惑が報じられました。本人は「事実と異なる点が多く」「代理人を通じて、しかるべき措置をとって参る」というコメントを発表していますが。

“またぞろ”という感じですね。榊英雄監督、木下ほうかさん、園子温監督⋯⋯業界内では以前から悪評が立っていた面々で、「#MeToo」の流れでようやく名前が出てきたという印象。当然、3人とも世間の反応は否定的で、起用する側としては手を出しづらくなりました。

――一般人からはもちろん、芸能界の中からも猛批判を浴びています。

 そうですね。榊監督の映画は2本とも上映中止になりました。「もしかしたらこのままお蔵入りするかもしれない」という声も出てきています。榊監督は俳優でもありますが、所属事務所がマネジメント契約を解消したので俳優活動も難しいでしょう。妻でシンガー・ソングライターの和(いずみ)さんとはすでに別居し、離婚の話が進んでいるそうです。八方塞がり状態です。

――妻としても許せないのは当然でしょう。

 木下さんも所属事務所を契約解除になった上、無期限活動休止に。無期限ですからこれはかなり深刻です。木下さんは記者会見を開いて謝罪したかったようですが、叶いませんでした。事務所からしてみれば、そんな不義理を働いた俳優の手伝いはもうしたくない。本人は「事務所が反対した」と感じているようですが。

――事務所も容認していたと思われたくないから、サッサと手を引きたかったんでしょうね。

 園監督は否定していますが、言い逃れは難しい状況。すでに大半を撮り終えていた連続ドラマは宙ぶらりん状態になっています。東出昌大さんが主演を務めているそうですが、どこからも「なんとかして放送できるようにしよう」という話は出てきていません。

――これまで東出は自業自得のトラブルが続いていましたが、今回は被害者。他の出演者もかわいそうですが、放送は厳しいでしょう。

 でも、僕はそれってあんまりだと思うんです。長年、芸能活動に携わってきた人たちが、今後一切芸能活動をできないというのは生活に困るのではないでしょうか。それぞれの年齢を考えても、今さら別の仕事でイチから出直しは厳しい。芸能界でなんらかの復帰方法はないか⋯⋯。

――あります?

 知り合いの映画プロデューサーに聞いてみたら、「Vシネマなら可能性がある」と話していました。この件は女性の嫌悪感が強いので、テレビ復帰は不可能に近い。けれども主要な視聴者層が男性であるVシネマなら、しかも悪役なら、木下さんも榊監督も俳優として出演できるかもしれない。Vシネマ側もインパクトがあって宣伝にある。ちょっとした役であっても、シリーズものが多いVシネマであれば食べていける。

――確かに⋯⋯なくはないかも。

 Vシネマで復帰できたら、一般の映画の出演に結びつくかもしれません。男性向けでスポンサーがそこまで厳しくない作品なら可能性があるでしょう。もともと主要な役やいい役柄を演じてきた俳優ではないので、悪役でも違和感はない。さらにそこから劇団をつくればいい。榊さんと木下さんは何度も一緒に仕事をしてきて関係が深いので、木下さんは劇団を主宰、榊さんが演出を担当すれば、俳優の卵や売れてない俳優は入るかもしれません。売れない俳優ばかりの舞台は儲からないかもしれませんが、後進の育成に全力で取り組んでいけば世の中も批判的にはなりにくい。

――そんなにうまくいくでしょうか。世間は意外と厳しいですよ。

 もちろん彼らがやったことは許されないことです。ただ現状、彼らの行為は犯罪として起訴されているわけではありません。たとえば薬物がらみで逮捕された芸能人は、裁かれて執行猶予期間が明けたら芸能活動を再開できるという目安があり、実際に多くの芸能人が復帰できています。しかし、彼らには「いつまで活動を自粛すべき」という明確な目安がありません。仮に芸能界で生きていく方法があるなら⋯⋯と考えてみたわけです。まあ、実際は難しいかと思いますが……。以前、盗撮で逮捕され罰金刑を受けた芸能人がいましたが、芸能界復帰はできませんでした。法律上の罪の大きさと、芸能界で生きていけるかどうかは結びつかないんですね。

――それだけ芸能人はイメージが大切。そのイメージにお金が支払われているということなんでしょうね。

城下尊之(芸能リポーター)

立教大学在学時から、サンケイ新聞でアルバイトを行っていた経緯から、卒業後、サンケイスポーツへ入社。スポーツ紙文化部記者となった初日で見習い経験もないうちに、他に大きな事件があったため、「(故)林家三平さん、大病から復帰!」という大事な現場を任された。退社後は、TBS『奥様8時半です』のデスク担当として勤務し、その後、芸能リポーターに転身し、現在に至る。独自に身につけてきた取材能力、ブレーンの作り方等から、芸能界の裏話を交えた、楽しい味付けで話す。

【プロフィールページ】

しろしたたかゆき

最終更新:2023/02/24 11:59
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