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庄村聡泰(ex-[Alexandros])、藤井風『LOVE ALL SERVE ALL』に“これ以上に美しい流れはあり得ない”

庄村聡泰(ex-[Alexandros])、藤井風『LOVE ALL SERVE ALL』にこれ以上に美しい流れはあり得ないの画像1
藤井風 公式サイトより

 これは飽く迄好みの話だ。勿論、個人的な。だが常々音楽好きの、いや特段それを自覚自称しているか否かに関わらずで良いのだが、そんな皆様に、聞いてみたい事があったのだ。

 筆者は所謂推しの、お気に入りの、または気になっているアーティストの新作”ニューアルバム”の曲順について、入口と出口については出来れば新たな体験をさせて欲しいと思っている。よって、”個人的な好み”に於ける”アルバムの曲順”とは、1曲目と最後の曲とが新曲である事をキボンヌ(今や多分死語だけどおっさんだから未だに使い続けてもいいんだと思っている)したい所である訳だ。

 勿論、もとい、無論オムロン(今や多分死語だけどおっ以下略)既発曲で始まる良作や既発曲で締まる良作も沢山知っているし、入口と出口が既発曲であっても良作であった事だって幾度となく、ある。何なら[Alexandros]のアルバムにも既発曲で始まるものもあり、既発曲で締まるものもある。だから強調する通り、これは飽く迄好みの話だ。

 皆様のその辺りはどうなのだろう? 最終的には各曲の出来や流れが良ければ全て良しなのであるが、そう言やあんまりこの話してる人って思い浮かばないなあと思って。

 藤井風のニューアルバム『LOVE ALL SERVE ALL』はそう言う意味に於いては筆者の個人的な好みとしては最も遠いやり方での曲順であった。1曲目の「きらり」は既発曲で最後の曲の「旅路」も既発。そしてその前の「”青春病”」も既発。衝撃の処女作であった前作『HELP EVER HURT NEVER』とタイトルも似通っており、曲名に於いても字面だけでは前作に収録されていても相違のない名が並ぶ。これは連作なのだろうか? それとも、前作を踏襲した様なアルバムになっているのだろうか? となると、前作の衝撃よりは薄まってしまうのではないか?

 上述の理由により、筆者は不安であった。特にその感覚を覚えたのは「やば。」と言う曲名。「何なんw」や「もうええわ」にも通ずるツッコミ所溢れるタイトル。だが、その中身はきっとまた大名曲であり、藤井風はそんなタイトル詐欺の達人であると言う事をもう前作を、そして今作に至る迄の曲群を愛してしまっている筆者は、それだからこそ、そんな風に”推察(邪推と言ってしまっても良いかも知れない)”をする様になってしまっている。どんなに名曲だったとしても、それは初めて「何なんw」を聴いてあひいいいいとなった2020年某日の俺よりは幾分、冷静に受け止め”られて”しまうのではないだろうか。

 そう、筆者は危惧していたのだ。藤井風の”マンネリ化”を。そしてぶっちゃけこうも思っていた。

 きっと藤井風のセカンドである『LASA(略称)』はファースト『HEHN(略称)』を越えるまでのインパクトは残せなかったが、既発曲の充実度もあり、これはこれで佳作であった。

 そうは思いたくないけれども、だがこれだけの不安要素があり、そしてそれは何よりこれまでの彼の足跡が皮肉にも裏付けをしてしまっている。

 と…。

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