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吉本興業『伝説の一日』を振り返る~ダウンタウン31年ぶりの漫才と大崎洋会長の力

吉本興業『伝説の一日』を振り返る~ダウンタウン31年ぶりの漫才と大崎洋会長の力の画像1
ダウンタウン(Getty Images)

 吉本興業創業110周年を記念して、4月2、3日に大阪・なんばグランド花月で行われた特別公演『伝説の一日』。ダウンタウンが31年ぶりに漫才を披露したことで大きな話題となった。

「吉本興業は2012年にも、NGKで『吉本創業100周年特別興行』を開催。その公演も『伝説の一日』と題して、ダウンタウンが出演しました。ただし、その時は漫才ではなく、ダウンタウン関連の名曲を披露して、最後には舞台上で明石家さんまさんと絡むような内容だったんです。それなりに豪華な内容だったにもかかわらず、そこまで盛り上がらなかったという過去があります」(お笑い関係者)

 そんな100周年興行を“不本意”と感じていたのか、今回の110周年興行では、吉本が総力をあげてプロモーション活動を展開した。

「大崎洋会長の腕の見せどころといった感じ。『伝説の一日』が開催された4月2、3日は、とにかくすべての吉本芸人のスケジュールがとりあえず押さえられていたとのことで、テレビ局関係者は収録ができないとボヤいていましたよ」(テレビ局関係者)

 さらに、4月2日には在阪民放5局(MBS、ABC、テレビ大阪、カンテレ、読売テレビ)が、『春はテレビから! 何かが起きる同時生放送』と題して、吉本110周年を記念する番組を同時生放送。西川きよしが全番組にリレー出演するという、異例の“電波ジャック”も行われた。

「民放5局と同時コラボをするというのは、前代未聞。いかに吉本が大阪のメディアに強い影響力を持っているかがわかる取り組みで、大崎会長が自身の力を最大限に誇示したとも見える。それくらい、大崎社長は本気だったのでしょう」(同)

 吉本は、3月21日に新しいBSチャンネル『BSよしもと』を開局。ここでも、『伝説の(裏)一日』と題して、多くの芸人たちによる“楽屋トーク”を生放送していた。

「主に昔話などを中心に、芸人さんたちが自由にトークする内容で、コアなお笑いファンにとっては、NGKの公演よりもこっちのほうが面白かったかもしれません。東京吉本所属のライスがなぜか大阪の師匠芸人たちと同じ回に登場して、まったく話せないというわけがわからない展開もあり、その直後のパートで、東野幸治さんが、ライスに直接電話をかけてイジりまくっていたのも面白かったです」(前出・お笑い関係者)

 とにかく吉本が総力をあげて取り組んだ『伝説の一日』。なかでも大きな話題になったのは、なんといっても「ダウンタウンが漫才をした」ということである。

「おそらく、若手のなかにはイマイチ乗り気ではなかった芸人もいたと思います。少なくとも、大阪吉本ばかりが盛り上がっていて、東京の若手たちは冷めていた部分もあったのでは。でも、やはりもうすっかり見なくなったダウンタウンの漫才が実現して、しかもちゃんと面白かったので、誰もが納得したのだと思います。ダウンタウンに漫才をさせられるのは大崎会長しかいないし、それを実現した功績は大きい。その名の通り、“伝説”になりそうです」(同)

 まさに、吉本興業の底力をまざまざと見せつけられた伝説の一日だった。

浜松貴憲(ライター)

1980年生まれ、東京都出身。大学卒業後、出版社に入社。その後、いくつかの出版社を渡り歩いた末に、現在はフリーライターとして、テレビ番組、お笑い、YouTubeなど、エンターテインメント全般について執筆している。

はままつたかのり

最終更新:2022/04/14 12:00
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