「パパにドーナツを…」ウクライナで起きている性暴力 戦争が白日に晒す、人間の最も醜悪な部分
#週刊誌スクープ大賞
「死んじまえ」“夢の国”ディズニーランドのパワハラ事件
この記事を読むと、東京ディズニーランドというところは、従業員に冷たい職場だと思う。
3月29日、東京ディズニーランドに衝撃が走ったという。
キャラクター出演者として働いていた契約社員A子が、パワハラで体調を崩したとして損害賠償を求めた訴訟で、千葉地裁は運営会社のオリエンタルランドに安全配慮義務違反があったと、88万円の支払いを命じたと文春が報じている。
この判決に対し、同社がホームページに掲出した反論文書が物議を醸しているようだ。
「原告が主張するパワーハラスメントに該当する発言は認められませんでした」
判決を真っ向から否定するとは、夢を売る商売とは思えない、居丈高で居直ったいい方である。
「A子さんがキャラクター出演者を志したのは小学生の時。ダンスレッスンに通い、十八歳から幾度もオーディションを受けて二十四歳でやっと就いた憧れの仕事だ。夏場は五十度を超える暑さになるという着ぐるみの中で、給水用ボトルを肩に提げ、飛んで跳ねる。体は辛くとも、ゲストの笑顔を見ると心が躍った。
人生が暗転したのは二〇一三年一月のこと。いつもの着ぐるみを着てゲストに対応していると、不敵な笑みを浮かべた大柄の男性が歩み寄り、握手を求めた。
『すると突然、男性が右手の中指と薬指を無理やり反対側に圧し折ったのです。しばらく驚きと恐怖で茫然としていましたが、産業医の診断で捻挫していたことがわかりました』(A子)
しかし、その後労災を申し出たが、上司からは「エンター(テイナー)なんだからそのくらい我慢しなきゃ。君は心が弱い」と告げられる。
これを境に上司や同僚からのいじめが激化していったという。
ある先輩出演者は、「お前みたいにやる気のないやつは全力で潰すから」と宣言。さらには「痩せろ」「衣装がパツパツで醜い」と容姿まで中傷されたそうだ。
楽屋の環境が悪く、喘息に悩まされていることを相談した上司からは、「病気なのか、それなら死んじまえ」「30歳以上のババアはいらねーんだよ。辞めちまえ」などと暴言を吐かれたともいう。
うつ病を発症し、過呼吸に悩まされたA子が、訴訟に踏み切ったきっかけは、後輩へのパワハラ現場を目撃したことだった。
A子とともに訴訟を起こした女性がもう1人いる。2015年に入社し、同じくキャラクター出演者として勤務していた契約社員のB子(32)である。
重さ10キロから30キロの着ぐるみ姿でパレードやショーに出演していたところ、2017年1月、腕に激痛が走り、神経や血流の障害で痛みが出る「胸郭出口症候群」を発症した。同年8月には船橋労働基準監督署が業務との因果関係を認め、労災認定しているそうである。
A子がこう補足する。
「私の周りのキャラクター出演者は、多くがヘルニアを患っていましたが、職業病くらいにしか思っていませんでした。守秘義務を徹底して叩き込まれていたので、友人や家族にも仕事の話ができず、悩みは一人で抱え込んでいた。何より、ディズニーの仕事が大好きなので、声を上げて雇い止めに遭うことだけは避けたかった。おかしいことはおかしいと思えるようになるまで長い年月が必要でした」
A子のこの言葉をディズニーランドはどう聞くのだろう。
「ゲストが夢を見られるのは魔法のせいではなく従業員の頑張りのお陰。そんな当然の事実を認め、働く人を大切にしてほしい。みんなの夢を壊すためではなく、夢を守るために裁判したのです。悪い夢から一人でも多くの人が覚めてほしい」
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