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M-1グランプリ3回戦、THE W準優勝でもはなしょーが解散を迫られる芸能界

M-1グランプリ3回戦、THE W準優勝でもはなしょーが解散を迫られる芸能界の画像1
杵渕はな 公式インスタグラムより

 2022年4月6日に女性コンビ、はなしょーが解散することが発表された。

 私は、女芸人研究家として「東京スポーツ」に連載をもち、テレビにも出演、仕事を断ってでも女芸人No.1決定戦THE Wの予選を可能な限り予選から見に行っています。今回のはなしょーの解散は、個人的にも大きな事件でした。

 実は発表される直前からはなしょーの解散は話題になっており、Yahoo!で検索すると「はなしょー 解散」と検索ワードに出てくるほどでした。いつものライブ活動がしだいに個々のピンネタの活動になったり、レギュラーMCとして出演し5年5カ月も続いていた「VS アイドル」(ニコニコ生放送)を卒業したりと……解散の準備をちゃくちゃくとされているようにも感じました。

 13~22年の間で活動をしていたはなしょーは、その活動期間の中で数々の実績を残しています。例えばTHE Wで17年19年20年と決勝に3度も進んでおり、19年には準優勝もした実力派コント師です。キングオブコントでも準々決勝まですすんでいます。20年ワタナベお笑いNo.1決定戦で優勝もしました。さらに普段は漫才をやらないのですが、M-1グランプリ2021では3回戦まで進んだりと、ネタの強さが年々強力になっていきライブで見ていて同業者として恐怖すら感じました。

 フリートークで誰よりも笑いをとろうとする杵渕はなさん、そして一見、一歩ひいているようだがたまに抑えている野心が表に出てきてガンガン笑いを誘う山田しょうこさんのコンビは、他の女芸人さんとも比べようのない孤高なる存在でした。

 お笑いライブでは女性芸人の数が少ないのでアウェーになる事が多い中、私が見た新宿バティオスで行われた満席のライブでは唯一、出演者の中で女芸人だったはなしょーが、トップでネタをやり1番笑いをとっていた事もありました(※1番目の出番はまだお客さんが温まりきっていないので、笑いを取るのが難しいとされています)。

 そのレベルのコンビが解散するのは自分の中ではありえないことです。私はコンビ志望のお笑い芸人にとって、面白いコンビを組めるかどうかは芸人人生で1回あれば大金星だと思っています。はなしょーはそのレベルにあったと思います。単独ライブも見に行ったことがあります。怒涛の盛り上がりは当然のことのようにライブが進行していき、賞レースでも闘えそうなネタがチラホラあったりと(※単独ライブをやっても賞レースで闘えるネタが1本できれば大成功とされています)、凄い質の高いライブをやっていた印象がありました。過去キングオブコントで女性コンビが決勝に行った事がまだありませんが「はなしょーならあり得るのかも」と思わされるネタの強さと勢いが、たしかにあったんです。

 昨年のTHE Wも当然のように準決勝まで進み、爆笑を起こしたなかの敗退でした。単純に昨年は“大会のオーディションに落とされたんだな”と思ってしまうような結果でした。もう、はなしょーがウケていないほうが珍しくなってきている中での解散は、私としてはちょっと、あっていい事なのかと、受け入れられていない自分がまだいます。

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