『家、ついて行ってイイですか?』母の記憶がない子と、母の手作り味噌を食べる子
#テレビ東京 #家、ついて行ってイイですか?
味噌は自家製、娘のために食の猛勉強を始めた母
埼玉県深谷市のJA農産物直売所でスタッフが声を掛けたのは、子ども4人(長女、次女、長男、次男)の家族連れだった。
――なんでここに来たんですか?
母 「野菜を買いに。ここは大きくて、いろいろあるから。あと、苗と。これからトマトとかナスを植えようと思って」
「家、ついて行ってイイですか?」と尋ねると、どうやら取材はOKのようだ。謝礼としてここで好きなものを買ってもらい、その代金は番組が支払うことに。このファミリーが買おうとしていたのは、カブやチンゲンサイなど8,104円分の大量の野菜だった。
――結構大量に買ってますね、チンゲンサイ。
母 「相当食べるんで」
――お子さんたちがですか?
母 「うん(笑)」
埼玉県北本市にあるご自宅に到着すると、そこは大きな一軒家だった。庭も広い。その庭にはたくさんの薪が置いてあった。なんと、家の中には薪ストーブがあるらしいのだ。他にもトマトを植えたご長女専用の庭があるし、パパ手作りのブランコも設置してある。こんなの、子どもたちはアガるに決まってる! アガりすぎたか、ふと横を見たら4歳の長男くんが庭で放尿していた。全国放送で天然の肥料をやる理由は、やんちゃだからか、それとも頻尿なのか?
――なんで中で(小便を)しないの?
長男 「漏れちゃうから」
まるで、子どもの楽園である。一方、キッチンに行くとそこにはママのこだわりが詰まっていた。自家製の漬物がたくさんあるし、味噌も自家製。毎冬に子どもたちと仕込んでいるそうだ。
「うちは味噌を大事にしているので。スーパーに出回ってるのだとアルコールで殺菌されちゃってて、麹が生きてないんです。お味噌で体を整えてほしくて、これを毎年作ってます」(母)
正直、かなり面倒だと思う。でも、そこは手を抜かない。ちなみにママの年齢は38歳だが、すごく若く見えるのだ。味噌が若さの秘訣だろうか?
2階に上がると寝室があった。そこには6枚の布団が敷いてある。“川の字”どころか“州の字”だ。絵に描いたような幸せな家族である。
そして、目を引くのは1階にある水槽。熱帯魚を飼っているらしい。
「私が何か動物を飼いたかったんです。いろいろ飼いたいんだけど、父ちゃんがアトピーで、動物の毛とかダメだから飼えないんです」(母)
パパがアトピーになったのは中学の頃から。切り傷を作るとジュクジュクするが、あれが全身にできたそう。高校にあまり通えない時期があったし、擦れて痛いので服も着ていられなかった。子どもが生まれると両親がまず気にするのは「アトピーじゃないかどうか」だ。そして、一番上の長女は体質的に肌が弱かった。生後4カ月の頃には肌がガサガサし、かさぶただらけになっていた。
父 「『やっぱり遺伝しちゃったか』って」
母 「夜中もずっと掻いてて、朝になると首の辺りか血だらけになってたり。寝ながらでも掻いてる気配がするとすぐ目が覚めて、手を抑えて。痒くて泣いていて、私も一緒に泣きながら。そこからだよね、食の勉強したのは」
食が乱れると、健康な人でも肌は荒れる。体内から整えるために野菜を大量に摂るようにし、味噌は自家製に変えた。
母 「手作り味噌とかしっかり麹菌の生きたものを体に入れて、それが腸内環境を整え、免疫力を高めて(自分で)治せる力をつけるっていう。それでちょっとずつ、4年くらい経って(肌が)綺麗になってきて『良かった~』と思って。今、パッと見て『わかんないよ』って言われるくらいにはなったね。本当、スベスベになったよ」
長女 「うん」
父 「皮膚のこういうところにかさぶたがないから、自分のときに比べれば全然肌はいい状態だと思います」
密かにこういうことをしてくれるのが親なのだ。できた奥さんだし、いいママである。
母の料理の記憶がない1本目の子と、一緒に味噌を手作りしている2本目の大家族。あまりに対照的で、見ていて少々落ち込んでしまった。ママ、ママの料理、そして妹と弟たち。すべて、1本目の男の子にはないものばかりだった。共に、「悲しくても……いつかは涙を拭って笑う」というテーマに則った家族だ。
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