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日刊サイゾー トップ > 連載・コラム  > なぜガーシーchを“見てしまう”のか
アレのどこが面白いの?~企画倉庫管理人のエンタメ自由研究~2

なぜ人はガーシーchを“見てしまう”のか?「正義よりも恨みの方が興奮する」

ガーシーはいつか、いいおっさんに戻る?

 あともう1つ分析するならば、ガーシーがYouTubeで暴露を行っている理由が、詐欺的な行為をして取ったお金(ガーシーは詐欺行為について詳しく明言していませんが)を返済するため、という点も見る人の深層心理に何かを働きかけている気がします。

「自分が動画を見ることが被害者の返済に充てられる」「自分がメンバーシップの月額課金で払うお金が被害者を救う」ということが、心のどこかで免罪符のようになっているのではないでしょうか。少なくとも私の中には、この動画を見る時の後ろめたさを、そういった気持ちで誤魔化している自分がいます。

 これを書いている時点では小林麻耶さんとコラボをするなど「ガーシーch」の状況も日々刻々と変化しています。アカウントをBANされるのではないかということも言われています。今後、このチャンネルがどうなっていくのかは誰にも分かりません。本人も発言しているようにそう長くはこの熱狂は続かないでしょう。

 ただ、場合によっては思いもよらぬ方向に転がっていくかもしれません。暴露が飽きられたり、暴露する情報が無くなった後も、ガーシーが視聴者にとって兄貴的な存在になり、悩み相談チャンネルとして人気になるなんてこともありえる気がしています。なんならABEMAとかにトークゲストで出る可能性だって無くはない気がしています。

 実際に視聴者の中には「ガーシーって本当はいい人だ」と思う人も出てきています。もしくは「やっぱり暴露をして人を不幸にするのってええ気分ちゃうって分かったわ」「もうお金の返済も済んだし、ふつうのおっさんに戻ります」と、あっさりとYouTubeを引退する可能性も大いにあるでしょう。それはそれでガーシーが伝説の存在になるかもしれません。とにもかくにもエンタメの研究対象として非常に興味深い存在です。倫理観はさておき(笑)。

 1年後2年後、ガーシーはどうなっているのか? 改めてその時に記事を書いてみたいと思っています。それでは今日はこの辺で。

放送作家。松本人志・高須光聖がパーソナリティを務めた東京FMのラジオ「放送室」で行われたオーディションをきっかけに放送作家の高須光聖に師事。以降、テレビやYouTubeでさまざまな番組を担当。主な歴代担当番組は『くりぃむナントカ』『シルシルミシル』『めちゃ×2イケてるッ‼』『ガキの使い 笑ってはいけないシリーズ』『得する人損する人』『激レアさんを連れてきた。』『新しい波24』『1周回って知らない話』『ゴン中山&ザキヤマのキリトルTV』『GET SPORTS』『ヨロシクご検討ください』『青春高校3年C組』『今田×東野のカリギュラ』など。

Twitter:@kikakusouko

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ふかだけんさく

最終更新:2023/02/28 06:42
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