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タカ&ユージのあぶないお笑い批評

『トークサバイバー』ヒットの裏にある、佐久間宣行の芸人を信じる姿勢

『トークサバイバー』ヒットの裏にある、佐久間宣行の芸人を信じる姿勢の画像1
『トークサバイバー!~トークが面白いと生き残れるドラマ~』(画像はNetflixより)

 お笑いブームがいよいよ極まってきている。ただただ楽しく観るのもいいが、ふとした瞬間に現代社会を映す鏡となるのもお笑いの面白いところ。だったらちょっと真面目にお笑いを語ってみてもいいのではないか──というわけで、お笑いウォッチャー・タカ&ユージが気になる動きを勝手に読み解く!

※本稿には『トークサバイバー!~トークが面白いと生き残れるドラマ~』のネタバレを含みます。

繰ってきたネタで勝負させない、『すべらない話』の真逆

ユージ 『トークサバイバー!~トークが面白いと生き残れるドラマ~』(Netflix)、面白かったです。ドラマ仕立ての部分がどうなるんだろう? と思っていたんですが、そこも楽しく観れました。

タカ 前半の学園もののときはどうなるのか一瞬不安になりましたが、ドラマ部分もちゃんと面白かったです。

ユージ 1話オープニングで千鳥・大悟がジャンピングパンチを放つシーン、さすが『HiGH&LOW』好きな佐久間さんだなと(笑)。後半の刑事ものの場面もみんなキャラがハマってて、画が格好良い!

タカ 映像もさすがNetflixという感じでした。ハライチ・岩井やパンサー・向井のビジュアルの作り込みも話題になってましたね。

ユージ 個人的には錦鯉・渡辺さんが似合いすぎてて笑いました。

タカ あれは完全にベテラン刑事ですよ。『トークサバイバー』を観て以降、渡辺さんの面白さがすごくわかるようになりました。バラエティに出ているのを観てて、さりげなくトークうまくてすごく達者だなと。佐久間さんも『オールナイトニッポン0』で千鳥とそんな話をしてましたね。ラジオ、聴きました?

ユージ 聴きました聴きました。「『すべらない話』には出てこない、芸人たちの大喜利バチバチみたいな場所にも出ない、こういうところで観るメンバー」と佐久間さんが語っていたのが印象に残っています。後者は『IPPONグランプリ』(フジテレビ)のことだと思いますが、たしかに松本人志主導企画との対比を感じるつくりです。

タカ 『すべらない話』(フジテレビ)と『トークサバイバー』は同じくトークで勝負する企画だけど、何が違うかといったら『トークサバイバー』は繰ってきたネタでは勝負させないところですよね。雑談的に、流れで出てくるものじゃないといけない。それこそ佐久間さんがやっている『あちこちオードリー』(テレビ東京)とも共通している。

ユージ 「しょうもない話」をお題に勝負させるターン(第6話)は特に『すべらない話』との違いが顕著でしたね。ケンドーコバヤシがその回で脱落して、「真面目にお笑いやってきすぎた」「筋道通さなきゃダメっていうのに囚われてる自分が嫌になった」とコメントしていたのが象徴的だなと。「しょうもない話」では、ケンコバと真逆のタイプのオードリー・春日と狩野英孝がめちゃくちゃ強かったじゃないですか。

タカ あぁ、それはわかります。狩野英孝パートはすごかった。ケンコバはこれまでやってきたトークで勝負していて、トークが得意だからこそ、予測不可能さがない。

ユージ 知ってるエピソードも多かったですし。

タカ 向井が話してるエピソードも、きっと過去にどこかで話してることではあるんだろうけど、そのときの会話の流れにいかに乗れるかというところですよね。『アメトーーク』(テレビ朝日)の「立ちトーク」に近いものがある。でも多分向井は「立ちトーク」では活きなくてこっちで活きるんでしょうね。こっちは、芸人のヒエラルキーが通用しない場所だから。

ユージ それでいうと、劇団ひとりが残り続けたのは若干納得いかない場面が結構ありましたよ(笑)。

タカ まぁ劇団ひとりは『キス我慢選手権』やってますから。『トークサバイバー』自体、映画版『キス我慢』のノウハウが結構入ってるし、その分のアドバンテージがあるでしょう。

ユージ たしかに。そう考えると、『キス我慢』と『SICKS~みんながみんな、何かの病気~』(テレビ東京)という佐久間さんが過去に手掛けた2つが合体して昇華されている企画ですね。『SICKS』と『トークサバイバー』は脚本を土屋亮一さん(シベリア少女鉄道)が手掛けてるのも共通してますし。終盤でSF的な仕掛けを明かしながら伏線回収していくやり方がいかにも土屋さんらしいなと思いました。

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