ウィル・スミス2016年アカデミー賞ボイコットは妻がノミネートされなかったから?
#しばりやトーマス #世界は映画をみればだいたいわかる
ウィル・スミス「世界でたったひとりのオレ様」役ばかり
『インデペンデンス・デイ』『メン・イン・ブラック』の2大ブロックバスター映画でドル箱スターになったスミス。伝説のボクサー、モハメド・アリの自伝映画『ALI アリ』に主演しアリ本人にリサーチをして役作りをしたまではよかったが、アリのショーマンぶり、オレ様ぶりも伝授されてしまったのか、劇中雨の中で試合をするシーンでは「オレ様に水道水をかけるってのか!」とミネラルウォーターに変えさせたという話があるぐらい。
以降のスミスはロボットの反乱を止めようとするたったひとりの男を演じた『アイ、ロボット』、ウイルス感染で崩壊したニューヨークでたったひとりの生き残りとなった『アイ・アム・レジェンド』など「世界でたったひとりのオレ様」ばかりをやるようになったことも笑いのネタにされていた。
悪評が耳に入ったのか、スミスは一方で妻や家族への愛をアピールし始める。2004年のロマコメ『世界で一番パパが好き!』では本人役で登場。ハリウッドのエージェントとしてバリバリ働いていた主人公ベン・アフレックは記者会見の場に遅刻するスミスの悪口を言ってしまい仕事を干され故郷に戻って娘と慎ましやかに暮らす。しかしニューヨークでの日々が忘れられず、娘の学芸会をすっぽかしてエージェントの採用面接を受けにいく。そこでばったりウィル・スミスと再会。スミスは仕事か家族かで悩むアフレックに「オレが頭がよければこんな仕事やめて子供と一緒にいる」とアドバイスするのだ。
06年の『幸せのちから』は事業の失敗でホームレスにまで落ちぶれ、一人息子と二人で駅のトイレに寝泊まりするほど追い詰められた男(スミス)が成功をつかむまでの物語で、スミスは息子のジェイデンと共演する親バカぶりで二度目のアカデミー賞ノミネート。そして今回テニスのウィリアムズ姉妹を育てた父リチャードを演じた『ドリームプラン』で念願の初受賞。
オレ様ぶりを反省して家族愛アピールに努めた結果がついに花開いた! 壇上に上がったスミスは先ほどの「暴挙」を謝罪したのだった。
今回、ロックの品のないジョークに切れたのは「オレ様の愛する妻をバカにするとは許せない!」と奥さんをかばったんだろうけど「イコールオレ様をバカにしたってことだな!」とかつてのオレ様ぶりがぶり返したのかも? しかし以前のスミスなら拳骨で殴ってたはず(なにしろ『インデペンデンス・デイ』ではエイリアンを拳でノックアウトしていたし)。でも直前で「オレ様は家族を愛する男なんだ!やりすぎはいけねえ」と自制して平手にとどめたのだろう。
これが『メン・イン・ブラック』の世界ならニューラライザーで記憶を消していたのに、残念! スミスさん、『メン・イン・ブラック』の新作が観たいよ!
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