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日刊サイゾー トップ > 連載・コラム  > ウィル・スミス2016年アカデミー賞ボイコット
世界は映画を見ていれば大体わかる#34

ウィル・スミス2016年アカデミー賞ボイコットは妻がノミネートされなかったから?

ウィル・スミス2016年アカデミー賞ボイコットは妻がノミネートされなかったから?の画像1
ウィル・スミス(写真/Getty Imagesより)

 3月27日(現地時間)に発表された第94回アカデミー賞はほぼ下馬評通りの受賞結果に終わった。

 去年はいつもと発表の順序を変えて主演男優賞の発表を最後にしていた(例年なら作品賞の発表が最後)。この変更は急逝したチャドウィック・ボーズマン(『ブラックパンサー』)を受賞させて式典の最期を締めくくろうとしたのかなと想像したのだが、蓋を開けると受賞したのは『ファーザー』のアンソニー・ホプキンスだった。

 空気を読もうとしない投票者が多かったのか、高齢のホプキンスにとって最後の機会になるかもしれないと気を遣ったのかもしれない。しかも会場にホプキンスはおらず、自宅で飼い猫と戯れていた。なんとも締りの悪いオチになったのを反省したのか、今年は番狂わせもないままに終了。しかし、話題をひとりでかっさらった男がいた。

 ウィル・スミスだ。

 長編ドキュメンタリー部門の発表になった時、プレゼンターとして壇上に上がったコメディアンのクリス・ロックが会場にいたウィル・スミスの妻で女優のジェイダ・ピンケット・スミスに「『G.I.ジェーン2』が早く観たいよ」というジョークを飛ばす。

 ジェイダは自己免疫疾患による脱毛症に悩んでおり、現在は頭髪を丸刈りにしているのだが、それをリドリー・スコット監督の映画『G.I.ジェーン』(1997)で海軍特殊部隊の訓練プログラムにたった1人の女性として参加するデミ・ムーアが頭を丸刈りにすることに引っ掛けた、ジョークにしてはキツすぎるネタだった。ロックの発言後、スミスはまっすぐにロックの元へと向かうと頬を平手で打ち、なおもふざけようとするロックに席上から罵声を浴びせていた。本国で中継していた米ABCでは音声を一時カットして放送するも、日本で中継していたWOWOWではスミスがFワードを口にするのをそのまま流した。

 日本では当初、ロックを批判する声が多かったが、ウィル・スミスは97年に結婚したジェイダとのアツアツぶり、奥さん(と家族)大好きアピールぶりで知られていて、それはアメリカのエンターテイメント業界でもよくいじられているネタだったりする(それにロックがジョークを言ったとき、会場では笑い声が聞こえたんだけど?)

 2016年にはアカデミー賞にノミネートされているのは白人だらけだと抗議し、授賞式への参加をボイコットするメンバーに夫婦で名を連ねていたけれど、スミスが抗議した本当の理由はジェイダがノミネートされなかったことが許せなかったという……どんだけ奥さん好きなの? それについて「招待されてもいないのに、ボイコットって!」とネタにされていたな。

 ってこのジョークをいったの、クリス・ロックだよ!

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