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日刊サイゾー トップ > 社会  > ゼレンスキー氏の国会演説は肩透かし?

ゼレンスキー大統領の国会演説は肩透かし?引用されるべき2つの日本の歴史的快挙

日本とウクライナの共通キーワードへのリサーチはなかった?

「ロシア」という日本とウクライナにとっての共通のキーワードで、今のウクライナの置かれている状況を考えれば触れられるべきは、東郷平八郎率いる日本の連合艦隊が世界屈指の戦力を誇ったロシアのバルチック艦隊を壊滅させた1905年5月の日本海海戦だろう。

 まして東郷元帥は英国のホレーショ・ネルソン、米国のジョン・ポール・ジョーンズと並び、世界三大提督にも挙げられる海外でも名を知られる人物。ゼレンスキー大統領が「皇国ノ興廃此ノ一戦ニ在リ、各員一層奮励努力セヨ」などの有名な東郷元帥の激をスピーチに引用していたならば、より強く日本人の琴線に触れることができたかもしれない。

 また、モンゴル帝国の侵略を受け、長くその支配下にあったウクライナの歴史を考えるならば、そのモンゴル帝国の二度にわたる元寇を撃退した戦いにも触れるべきだったと思う。

 ウクライナの前身であるキエフ・ルーシ公国は元寇時の日本同様に、13世紀にモンゴル帝国に侵略された。ゼレンスキー大統領が、「私たちの国はモンゴルの侵略を受け長年にわたりその支配下に置かれました。でも、日本の皆さんはモンゴルの二度にわたる侵略の試みを北条時宗の強いリーダーシップのもと、見事退けました」などと述べていれば、日本の政治家の自尊心をよりくすぐったかもしれない。

 大統領のスピーチライターが日本について、きちっとリサーチしていなかったのか? 23日はゼレンスキー大統領にとって、日本の政治家及び日本国民に訴えるまたとない機会だっただけに返すがえすも残念でならない。

本田路晴(ジャーナリスト)

連邦海外腐敗行為防止法 (FCPA) に関する調査、ホワイトカラー犯罪の訴訟における証拠収集やアセットトレーシングなどの調査・分析を手掛ける米調査会社の日本代表を経て現在は独立系コンサルタント。新聞社特派員として1997年8月から2002年7月までカンボジア・プノンペンとインドネシア・ジャカルタに駐在。その後もラオス、シンガポール、ベトナムで暮らす。東南アジア滞在歴は足掛け10年。

ほんだみちはる

最終更新:2022/04/01 06:00
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