『トークサバイバー』ドラマとトークの融合で生み出す笑いの絶対法則“緊張と緩和”
#深田憲作 #企画倉庫 #アレのどこが面白いの?~企画倉庫管理人のエンタメ自由研究~
スベり笑いもほとんどない!全ネタおもしろいワケとは
では、そのほかにトークブロックで感じたことを挙げさせていただきます。
芸人が話すトーク内容は自虐がメイン。下ネタもやや多めです。1つひとつのトークの尺は短め。「すべらない話」では披露しないであろう短尺のトークが多く見受けられます。そんな短尺トークが、芸人から代わるがわるテンポよく飛び出していました。
『トークサバイバー』と謳っているくらいなので、表面的には芸人は競い合っている関係なのですが、実際にはお互いを助け合う協力関係で進んでいます。
先述したようにほかの芸人のトークに対しては笑いをこらえながらもしっかりと笑いますし、芸人のトークのオチの後には誰かがフォローの一言を添えて笑いを増幅させています。そして、これも先述しましたが髙橋ひかるさんなどの俳優陣がトークを聞いて笑った顔も多くカメラで抜かれ、それをモニタリングする千鳥ノブさんと女性ゲストのツッコミやリアクションもたびたび差し込まれます。
そう、笑いの保険が効きまくっているんです。
芸人のトークはほとんどウケていて、スベる場面やスベリ笑いの場面はほとんどありませんでした。もちろん、芸人にとっては大変なプレッシャーのかかる企画だと思いますが『トークサバイバー』に出演した芸人がトークでスベって損をした見え方になっている、ということはありませんでした(現場ではスベっている人もいたかもしれませんが)。
あとドラマブロックも想像していた以上に本格的でした。
それもそのはず、ドラマを監督したのは『全裸監督』(Netflixオリジナル)などを手掛けた河合勇人さん。おそらくドラマパートの制作も一流スタッフが集まっているのでしょう。ドラマのストーリーも十分に楽しめるものになっており、伏線回収や視聴者の予想を裏切る展開もふんだんに盛り込まれています。こういう時、ドラマパートに笑いを入れすぎると、作品が壊れてしまいかねないと思うのですが、そこもバランスよく笑いが入っています。とにかくドラマ・トーク、全体を通して最高の仕上がりだと思いました。
連載1回目ということで自己紹介も含めて少し長くなってしまいました。こんな感じでテレビ番組やYouTubeの動画など、バラエティコンテンツを中心に企画の研究をしていきたいと思います。
映像コンテンツでなくとも例えば『100日後に死ぬワニ』のようなバズ作品が生まれたらそれについても分析したり、今話題の暴露系YouTuberの『ガーシーch』がなぜ人々を夢中にさせてしまうのかを真面目に分析する、というのもいいかと思っています。時事的な話題作だけでなく、過去のヒット作品について分析するのもいいかもしれません。多方面のエンタメから「面白さの正体」を探っていきたいと思っています。
私が運営している「企画倉庫」でも企画を勉強するために様々な試みをしていくつもりですので、是非ともTwitterアカウントをフォローして動向を見守っていただけると幸いです。今後ともよろしくお願いいたします。
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