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アレのどこが面白いの?~企画倉庫管理人のエンタメ自由研究~

『トークサバイバー』ドラマとトークの融合で生み出す笑いの絶対法則“緊張と緩和”

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千鳥

 はじめまして、放送作家の深田憲作です。

 本題に入る前にまずは、私の話からさせてください。私はこれまで約15年にわたってテレビやYouTubeでバラエティコンテンツの制作に関わってきました。そして、今年の1月からエンタメにまつわるwebサイトの運営もしています。「企画倉庫」というサイト名で、一言で説明するなら「企画のフリー素材サイト」。YouTubeなどで使える企画案を「グルメ」「クイズ」「ドッキリ」「トークメイン」などのジャンルごとに掲載しています。

 YouTube、ライブ配信、音声配信といった配信メディアが台頭し、誰でもコンテンツを投稿できる時代――それに伴って劇的に増えたであろう、企画考案に苦しむ人たちの手助けになればと思い、このサイトを立ち上げました。

 そしてサイトを運営するようになってから、これまで以上に企画というものに対して真剣に向き合うようになっています。「あの企画はどこが面白いんだろう?」「なんで数字を獲るんだろう?」。「企画倉庫」の運営者としてそれを感覚ではなく、ロジカルに説明できるようになりたいと思ったからです。

 世の中には様々なジャンルに学者の存在がありますが、私が知る限りでは「バラエティ企画学」「バラエティ企画学者」のような存在は聞いたことがありません。今後ますますエンタメは世の中に溢れるはずですから、将来的には学術的なレベルでバラエティの企画について研究する人が出てくるのではないかと思います。その研究が、日本のエンタメのさらなるレベルアップに繋がるはずです。

 大それたことを言うと、将来自分はそんな研究者になりたいという夢があります。それに向けてといってはなんですが、この日刊サイゾーさんで“企画”について研究をしていく連載をすることになりました。

 読者の方にとっては「どっちでもいいよ」というニュアンスの部分ですが、この連載は「研究」であり「評論」ではありません。コンテンツの表面的な良し悪しや感想を綴るだけであれば、そんな記事はネットに有象無象に存在します。私はそんな記事は書きたくありません。上から目線でコンテンツや芸能人をディスる評論記事も一切書くつもりはありません(その方がPV数は稼げるとは思うのですが)。

 人気コンテンツの「この企画のどこが面白いのか?」を構造的に分析し、多くの人がわかる表現で書き記し、読んでくださった皆さまがこれまで以上に楽しくコンテンツを見られるようになる連載にしたいと思っています。

『トークサバイバー』はなぜおもしろかったのかを分析してみる

 連載1回目なので前置きが長くなりましたが、今回のテーマはNetflixの『トークサバイバー』です。

『ゴッドタン』『あちこちオードリー』(ともにテレビ東京)などで知られるテレビプロデューサーの佐久間宣行さんが手掛けた作品です。その内容は「ドラマの中でリアルなエピソードを話して笑わせ、面白くなかったらドラマ降板。残ったメンバーでドラマを完結させる」というもの。

 出演者は千鳥をメインに据え、劇団ひとりさん、ずん飯尾さん、アンガールズ田中さん、パンサー向井さんといった売れっ子芸人たち。ドラマパートを担うメンツにも間宮祥太朗さん、髙橋ひかるさん、東出昌大さんといった豪華俳優陣が出演しています。

 まずはこの作品の素直な感想を申し上げると……「めちゃくちゃ面白かった」。トークブロックもドラマブロックも何回も見直すほど面白かったです。では一体どこが面白かったのか? 私の本業はバラエティですので、トークブロックをメインに分析していきます。

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