裁判所が「VTuberへの名誉権侵害」を認める 夢月ロアの担当弁護士が報告
#VTuber
VTuberグループ「にじさんじ」(登録者数97万人)所属の「夢月ロア」(同34万人)がデマを流されたことによる名誉権侵害(名誉毀損)を訴えて発信者情報の開示請求をしていた件で、裁判所が開示を認める判決を下したことが明らかになりました。
「名誉権侵害」が裁判で認められる
夢月を担当しているインテグラル法律事務所の小沢一仁弁護士は29日、自身のツイッターで「夢月ロアさんのアクセスプロバイダに対する発信者情報開示請求訴訟の判決があり、裁判所が名誉権侵害を認め、発信者情報の開示を命じる判決を言い渡したことを本人に代わりご報告します」と発表しました。
続けて、小沢弁護士は「なお、引き続き係争中の案件となりますので、本件に関する詳細の公表は控えますことをご容赦ください」とも綴っています。
夢月は「人間にイタズラをするために魔界からやってきた13歳の悪魔」という設定で、独特な「なまり」口調が特徴のキャラクター。ファンからの人気も高かったのですが、後輩VTuberとのトラブルをきっかけに2020年秋から実質的な活動休止状態になっています。
新人VTuberとのトラブルで炎上騒動に
トラブルの発端は、夢月が新人VTuberの「金魚坂めいろ」(同7万人)に対して「夢月ロア特有の『なまり』に似た口調を可能な限り訂正してほしい」といった主旨の要望をしたこと。しかし、金魚坂は自身のなまり口調について、いわゆる「パクり」ではなく「生まれつき」だと主張。運営やファンを巻き込んだ騒動になった末、にじさんじが「契約の禁止行為に該当する発言」があったとして2020年10月に金魚坂との契約解除を発表しました。
この一件によって、ネット上で「夢月が新人イジメをした」「嫌がらせで新人を辞めさせた」などといった誹謗中傷が流れたことで炎上騒動に発展しました。
夢月は一年以上にわたって沈黙していましたが、昨年末に久々に自身のツイッターを更新。「去年デマを流された件についての報告があります。今そのデマを流した人物を突き止める裁判をインテグラル法律事務所の小沢一仁弁護士に依頼しています」「裁判が終わるまでもう少し時間がかかってしまうけど、待っていて欲しいです」とファンに報告していました。
(関連記事「夢月ロアが1年ぶりにSNS更新 現在はデマ犯人特定のため訴訟手続き中」)
「VTuberへの名誉毀損」成立の判例に?
この騒動をめぐってネット上で焦点となっていたのは、「架空のキャラクターであるVTuberへの名誉毀損は認められるのか?」ということでした。通例では、名誉権を持つのは生身の人間や実在の法人に限られるとみられているためです。
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