『ミスなか』最終回目前で主演・菅田将暉が「癒やし担当」だけで終わる展開に賛否
#ミステリと言う勿れ
「今回、菅田くん何もやってないな」――それが最終回直前、11話を見終えた視聴者から溢れたつぶやきだった。
高視聴率を記録し続けてきた菅田将暉主演のフジテレビ系月曜ドラマ『ミステリと言う勿(なか)れ』が、いよいよ今夜21時に最終回を迎えようとしている。昨今ほとんどのドラマが9~11話でまとめられていることを思えば、全12話となった『ミスなか』は話数が多く、話題の原作を実写化するだけあって、フジテレビの力の入れようが現れていた。だが、原作人気にあやかろうとした結果か、ストーリーの”継ぎはぎ感”は否めない状態だ。
3月21日に放送された第11話は、第3話以来の登場となる犬堂我路(永山瑛太)が主体で構成されたストーリーだった。我路は原作中でも人気の高いキャラクターだ。謎を残して死んだ妹の愛珠(白石麻衣)の真実を求め、愛珠が手紙に残していた「ジュート」という人物を追う我路たちだが、第3話といえば放送されたのは1月24日と、まるっと2カ月前である。そのためか、「第3話の復習」といわんばかりに回想シーンが多用されることに。さらに、原作では今回の「横浜連続殺人事件」に主人公の久能整(くのう・ととのう)は関与していないが、ドラマでも同様に、菅田演じる整は不在。これまで繰り広げられてきた「整が出会う日常のミステリー」という独特の空気感をぶったぎった展開となっているのだ。
原作を知らないだろう視聴者からは、「開始10分で『整を出せ、整を‼︎』と思っている」「整くん主演じゃなかったの?っていう感じの内容でした」「整くんワイプの人って呼ばれててウケる」などといったコメントがSNS上に上がっていた。それほどに、整の登場時間はごくわずか。ストーリーを改変してまで無理に事件と絡ませる必要はないのだが、主演であるにもかかわらず、まったく登場しないというのもドラマとしては体裁が悪い。そのためだろう、第11話の整には「癒やしポジション」が与えられていた。
新幹線で駅弁をほおばったり、ずっと行きたかった展覧会に行きウキウキ足を運んだり……大筋の連続殺人事件とは一切関わりのないシーンでのわずかな登場だったが、「整くん大阪で印象派展満喫しちゃってたね(笑)」「ちょこちょこ出てくる整くんにほっこりさせられた」「整くんが登場したときの実家のような安心感好き」など、かねてから視聴者を「かわいい」と湧かせていた“菅田”整のポテンシャルを存分に発揮していたところはさすがである。しかしそれでも、なんとか主役の場面を作ろうという無理やり感は否めない。
さすがに今夜の最終回まで主演の見せ場がないというわけにもいかず、整による謎解きシーンがあるようだ。ただ、ストーリー上の必要性というより、主人公不在のまま終われないという事情が透けて見える。最終回に登場するこの新幹線のエピソードは、「バスジャック事件」の直後の話であり、時系列上では確かに「横浜連続殺人事件」と近いのだが、関連性があるわけではないからだ。第10話までで“整のストーリー”が綺麗に完結していただけに、第11話・第12話という終盤の終盤で、整は登場しないが原作上重要なエピソードと、整は活躍するが”小篇”といったミニエピソードを合わせ技で展開することで、連続ドラマとしての印象がちぐはぐになってしまっていることは否めず、少々残念だ。
■番組情報
月曜ドラマ『ミステリと言う勿れ』
フジテレビ系毎週月曜21時~
出演:菅田将暉、伊藤沙莉、尾上松也、門脇麦、白石麻衣、鈴木浩介、筒井道隆、遠藤憲一 ほか
音楽:Ken Arai
脚本:相沢友子
プロデュース:草ヶ谷大輔、熊谷理恵(大映テレビ)
演出:松山博昭、品田俊介、相沢秀幸
主題歌:King Gnu 「カメレオン」(ソニー・ミュージックレーベルズ)
制作・著作:フジテレビ 第一制作部
公式サイト:fujitv.co.jp/mystery
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