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ネットニュース編集者・中川淳一郎が総ツッコミレビュー!#10

ドラマ『ゴシップ』にネットニュース編集者・中川淳一郎も謝意表明! “日陰の業界”よ永遠に!?

ドラマ『ゴシップ』にネットニュース編集者・中川淳一郎も謝意表明! 日陰の業界よ永遠に!?の画像1
ドラマ『ゴシップ #彼女が知りたい本当の〇〇』(フジテレビ系)公式Twitterより(@gossip_cx

 ついに終わってしまった連ドラ『ゴシップ #彼女が知りたい本当の〇〇』(フジテレビ系)だが、最終話を含め、ドラマ全体に今回はツッコミを入れてみる。ドラマ評なんて書いたことがないのに、よくぞオレも10週間連続(第一回が放送された後に日刊サイゾー編集部から執筆依頼が来た)でドラマを見られたものだ。

 最終回は、ついに「カンフルNEWS」編集長の瀬古凛々子が恋心を抱いていたであろう執行役員の仁和(安藤政信)に対して、反旗を翻し、同編集部は解体され、それから3カ月後、各人がバラバラになっていくまでが描かれる。今回は総括の意味合いもあるためネタバレが多いので、知りたくない方はこれ以上読まないでください。

『ゴシップ』ついに最終回、最後のツッコミにお付き合いください

 ドラマ全体の構成を考えてみると、最初はやる気と一体感のなかった編集部が最終回、ついに青春の部室の如き雰囲気になる感じが実に爽快感があった。「大人の青春ドラマ」とでも言える展開になったのはナイスである。そして、初回から最終回まで1度もキスシーンがなく、終始恋愛のニオイを感じさせつつも、一線を越えさせなかったのは好感を持てた。

 散々タイトルや設定、現実性についてオレも制作陣に文句ばかり書いてきたが、終わってみると「いいドラマだった」という感想になる。回が進むごとに編集部のメンバー、一人ひとりへの共感が増してくるのである。

 メンバーは根津道春(溝端淳平)、下馬蹴人(野村周平)、椛谷静司(野間口徹)、一本真琴(石井杏奈)だが、各人の抱えている悩みについては、脚本家は各世代の労働者の抱えるものを適切に分析し、それでもなんとか仕事人として誇りを持って生きていけるような描写をしたい――そう考えたであろうことがよく分かった。

 だから、制作陣の中にはオレのツッコミをムカついていた人もいるだろうが、オレはちゃんとこのドラマを評価している。あくまでも、視聴者に対してわかりやすいネットニュースの世界を見せようと若干非現実的な表現などをしたであろうことは、同じメディア人としてよく理解している。

 ただ、最終回というか、安藤政信演じる執行役員・仁和が凛々子に「50万PVのサイトを5000万PVにしろ」という指令を出し、凛々子がそれを達成したのに、そのサイトを潰す、というのはまったく斜め180度の展開だった。

 5000万PVを誇り、おそらく「クスノキ出版」という講談社・小学館・集英社レベルの運営するサイトがここまで成長したのにいきなり潰すというのはまったく意味が分からない。せめて他社に売却するべきではないだろうか。きっとYahoo!的なポータルサイトにも配信していると思われるが、このような財産をいきなり潰すというのはまったくもってして非合理的である。

 仁和はそれなりの実績を持ち、執行役員の立場に就任したと思うのだが、元人事部の部長がなぜ凛々子にネットニュースの編集長を任せ、そして同社の合併話はあったとはいうものの、これから多額の金を稼ぐ可能性があるサイトを解散させるのか……。今回、カンフルNEWSの母体ともいえる「週刊カンフル」が廃刊になったという「聞いてないよー!」的な説明もあったが、果たしてこの状況で「クスノキ出版」が大手IT企業と合併することに、そのIT企業は何を魅力だと思ったのか。

 こうした点でドラマの細部についてはツッコミどころが満載なのだが、やはりこの3カ月見続けた人間、しかもドラマのテーマの分野に携わっていた人間からすれば『ゴシップ』は実に素晴らしいドラマだったと言うしかない。

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