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fromis_9m、Girl Crush押出し10万枚快挙も…韓国社会に根付く反ジェンダーの波

アーティストたちがジェンダー論争の生贄に

 ただ今後、fromis_9が同じコンセプトを維持し、成果を出し続けることができるかどうかは未知数である。というのも、韓国社会では昨今、フェミニズムやジェンダーをアピールすることに対する風当たりが非常に強いからだ。

 先の大統領選では、女性の権益増進などの地位向上を目的として設置された官庁・女性家族部の廃止を公約に掲げた国民の力・尹錫悦氏の当選に象徴されるように、韓国ではここ数年、女性に対する“優遇制度”が逆差別的だとして社会的議論になっており、有名人はそのジェンダー論争の生贄になってきた。

 例えば、RedVelvetのメンバー・ジョイがフェミニストと印字されたTシャツを着ただけで非難の的となったり、アーチェリー五輪代表選手が短髪を理由にSNSで中傷されるという話題は日本でも広く報じられたが、他にも攻撃を受ける女性有名人が後を絶たない。

 韓国国内のジェンダー論争は非常に根深い問題で、その正否を短絡的に問うことはあまり意味はないだろう。ただ、fromis_9、もしくは他のアイドルグループがGirl Crush的なコンセプトを維持することが、韓国市場において今ほど難しい時代はないということだけは確かだ。世界観を徹底してアイコンとして突き抜けるか、もしくは海外市場に打って出るか。10万枚という人気アイドルグループ入りのゴールドチケットを手に入れたfromis_9は、次なる2択の前に大きな選択を迫られそうだ。

与良天悟(芸能ライター)

1984年、千葉県出身のウェブメディア編集者。某カルチャー系メディアで音楽や演劇を中心にインタビューなどを担当するほか、フリーで地元千葉県の企業の記事なども請け負っている。

よらてんご

最終更新:2022/03/25 13:00
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