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日刊サイゾー トップ > エンタメ  > 『ゴッドタン』限定の謎CM「ザ・リーヴ」

『ゴッドタン』でしか放送されない! 謎のCM「ザ・リーヴ」とプロレス団体「NOAH」の出会い

「ザ・リーヴ」CMが流れないと視聴者からクレームが来る

 内容とキャスティングにクセがありすぎたせいか、同社のCMは各テレビ局から軒並み放送を拒否された。消費者金融やパチンコのCMもバンバン流れているのに、そんな事実があったとは驚きだ。

 ただ1つ、OKが出たのはテレビ東京『ゴッドタン』の枠だけであった。決して、『ゴッドタン』に合わせてシュールなCMを作っていたわけではないのだ。

『ゴッドタン』放送開始は2005年からだから、思いっきり辻褄は合う。「『ゴッドタン』でしか見ないCMだなあ」と筆者も思っていたが、本当に『ゴッドタン』でしか流れないCMだったのだ。以前は『プロレスリング・ノア中継』(日本テレビ系)でもCMは流れていたが、地上波放送が2009年に終了したため、現在の頼みの綱は本当に『ゴッドタン』だけなのだ。

 繰り返すが、CMで流れるのは「空室(あきしつ)で困ったら~任せてください~」と歌う曲。おそらく、マンションオーナーはあまり見ていない『ゴッドタン』にピンポイントでCMを流し続ける判断が注目に値する。実は、『ゴッドタン』ファンもリーヴCMを見ないと物足りない体質になっており、特番放送で枠が変わったためCMが流れなかった回は、視聴者が佐久間宣行プロデューサーのアカウントにTwitterでクレームが入れたほどなのだ。

「昨日のゴッドタンSP、ヒム子とジェッタシー出してくれとか牛乳拭いてくれとかの意見はわかりますけど、ザ・リーヴのCMが足りないってのそこそこくるんですけど、それはもう許してくださいよ(笑)」

 

 TBSでこれだけNOAHが紹介されるのもレアだが、TBSでこれだけ「ゴッドタン」と連呼しているのもおかしな状況である。余談だが、『週刊さんまとマツコ』と『ゴッドタン』は作家陣に数名の被りがあり、密かに近しい関係だったりもする。

プ女子には“涎モノ”だったNOAHイケメン勢の起用

 プロレスラーとはアクの強い人種だ。裏話がある。2017年放送のCM「海釣り編」の内容は船上で海釣り中の丸藤正道と中嶋勝彦が「俺が勝つ!」と揉め始め、それに気付いた船長の越中詩郎が「やめろって!」とエキサイト。「やってやるってー!」と勢いのあまり若手を海に放り投げるストーリーだった。でも、台本は違ったのだ。

「越中さんは、本当は本人が(海に)落ちる予定だったんですよ。当日、30分前に『ヤダ!』って言い出して。びっくりしましたよ」(佐藤社長)

 撮影当日に海落ちNGを出す越中。「やってやるって!」が口癖の男が「嫌だって!」とゴネるのだから驚きである。しかも、こんなに苦労を伴っているのに今までの反響は皆無らしい。救いがなさすぎる。

「本当は真面目なCMやりたいんですけど、今から引くに引けないって感じですよね。本当はやりたいんですよ、イメージのいい女性のモデルさんを使って」(佐藤社長)

 しかし、思わぬCM効果もあったようだ。ザ・リーヴの従業員は75%(162名のうち115名)が女性。全国にある12店舗すべて、店長は女性社員である。つまり、CMを見て女性の就職希望が急増したのだ。「レスラーをこんなにCMで使ってくれるなんて素晴らしい会社だ。この会社に就職したい!」と、大勢のプ女子に感銘を与えていた。マツコが解説する。

「実はね、あの頃のNOAHは涎モノでした」(マツコ)

 一時期、NOAHには丸藤、KENTA、潮崎豪とイケメンのスターが揃っていた。マツコの「涎モノ」という表現がCMの衝撃を物語っている。特にインパクトがあったのは、潮崎が越中にバリカンで丸刈りにされたCMだ。

「潮崎君が坊主にされたときがあったじゃない? 興奮してたもん。本当にありがとうございます」(マツコ)

 プ女子であり、NOAHファンであり、同時に『ゴッドタン』のヘビー視聴者でもある女性社員たち。かなりの精鋭だ。

「ちょっとしたノアの方舟やよねえ」(さんま)

 なるほど、NOAHだけに。ノアの方舟というかイエスの方舟というか。

 ただでさえ深夜の局地的な話題であり、テレ東が映らない地方の視聴者にはまったく意味不明な事象を他局のTBSが取り上げた今回。撮影時の三沢の裏話に加え、『ゴッドタン』はやはりいい番組なのだと再認識させてくれた、ニッチな30分だった。

寺西ジャジューカ(芸能・テレビウォッチャー)

1978年生まれ。得意分野は、芸能、音楽、格闘技、(昔の)プロレス系。『証言UWF』(宝島社)に執筆。

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最終更新:2022/03/26 07:00
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