『DCU』民放イチ視聴率も…最終回の内容に「意味不明」「何も解決してない」の声
#日曜劇場 #DCU
TBSドラマ『DCU』が3月20日、最終回を迎えた。全9回ながら最終回は54分拡大スペシャルで届けられ、世帯平均視聴率は15.1%(ビデオリサーチ調べ、関東地区、以下同)を記録。全話平均14.5%で終わり、まだ最終回を迎えていないドラマも多いが、今期民放ドラマではまず間違いなく1位の視聴率となりそうだ。
最近は13%台で推移しているNHK大河ドラマ『鎌倉殿の13人』も現時点で全話平均14.5%となっており、大河に匹敵するこの高視聴率はTBSドラマの看板である「日曜劇場」ブランドを維持した格好だが、一方で「期待はずれ」の声も多かった。
「阿部寛主演の『DCU』は、海上保安庁に新設された架空の組織・DCU(潜水特殊捜査隊)が水にまつわる事件・事故の謎に迫る『ウォーター・ミステリー』で、ハリウッド大手制作プロダクションとの共同制作と謳い、放送前は大いに期待を高めたが……。結局、初回の16.8%を最後まで超えられなかった。2月20日放送の第5話で11.8%にまで落ち込んだのは北京五輪の閉会式と重なった影響が大きいだろうが、最終回になってようやくギリギリ15%台に乗るまで回復、というのはドラマ自体の牽引力がいまひとつだったことの表れだろう」(テレビ雑誌記者)
業界内では、今期を制したのはフジテレビ系月9ドラマ『ミステリと言う勿れ』だとする声も多いという。
「『ミスなか』はTVerにおける1クール内の見逃し配信再生数の最高記録を更新し続けており、第9話までのFOD、TVer、GYAO!、Yahoo!の合計値では、民放テレビ番組初の快挙となる3000万回を突破。全12話予定なので、まだまだ増えるだろう。リアルタイム視聴率も好調だし、配信と合わせれば『ミスなか』がやはり強かったと言えそう。ドラマの内容についても、『ミスなか』は圧倒的に評判がよかった一方、『DCU』は脚本に対するツッコミがSNSで相次いでいた」(同上)
オリコンが発表しているドラマ満足度ランキングでは、最新の調査(3月1日~3月7日放送を対象)までで『ミステリと言う勿れ』は8週連続で1位を獲得と独走状態。一方で『DCU』は差を付けられてきた。同調査では100ポイント満点で集計されているが、『ミステリと言う勿れ』はほぼ全話で90ポイント以上を維持しているのに対し、『DCU』は50~79の間で留まっているのだ。
「特に初回の50ポイント、第3話の54ポイントの低さが際立ちます。初回はやはり、思っていたものと違う、という期待はずれ感が表れたものでしょう。第3話は、主要キャラのひとりと見られた隆子(中村アン)が上官の命令を何度も無視して暴走した挙げ句に殉職という形であっさり退場し、ストーリーへの批判が高まった回でした」(ドラマ・映画ライター)
そして最終回も視聴者を大いに当惑させた。
「ドラマ全体のメインストーリーとして、『ブラックバタフライ』なる国際テロ組織の存在と、第1話冒頭で描かれた15年前の事故で死んだと思われた成合(吉川晃司)が実は生きていてなぜかブラックバタフライ側に付いているという謎がありました。しかし、最後まで成合の目的が何だったのかは明らかにされず、しかも二度も逮捕できる瞬間があったのにあっさり逃げられてしまっている。ブラックバタフライについても何も解決していません。そもそも、15年前に瀬能(横浜流星)の父親がある技術について軍事転用されないようシステムの設計図を隠匿し、成合やブラックバタフライもこれを狙っていたのですが、成合らが15年経ってから急に動き出した理由も謎であれば、15年も昔の技術に固執しているのも不思議です。
ほかにも不可解な部分、まったく解決していない部分、ツッコミどころが多いため、『ガチのマジで意味不明なラストだった』『結局15年前の事件は解決したってこと? じゃあ成合さんは? いつからブラックバタフライだったの?』『ハリウッドが関わってて最終回で一度も海に潜らずに終わったり根本的な解決が何もされてないなんてあり得ないだろ』『俺たちの戦いはこれからだエンドで草』など、困惑している視聴者が続出しています。成合が重要なアイテムである鍵も持ち去ってしまいましたし、続編ありきの最終回だったのかもしれませんが、それにしても拡大スペシャルまでやってこのクオリティ、この終わり方は残念としか言いようがありませんね。前期の『日本沈没ー希望のひとー』といい、まるで日本のドラマ制作班には壮大なストーリーは作れないと世界に喧伝しているようなものですよ」(同上)
一部報道では、制作を担うTBSの予算が厳しかったために、見せどころであったはずの潜水シーンが大幅に削られたとも言われているが、実際に後半は水族館、温泉、プールに少し潜る程度だった『DCU』。仮に物語の決着が続編なり劇場版なりでつくことになるとして、はたして観たいと思う人はどれぐらいいるのだろうか……。
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