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日刊サイゾー トップ > エンタメ  > Awichの“エッチな曲”の裏にある狙い

『関ジャム』Awichの“エッチな曲”の裏にある狙い

米国留学で学士号を取得し、出会った夫が銃殺されたAwichのバックボーン

 続いては、Awichについて。彼女は昨年に「爆ぜる心臓 feat. Awich (Exploding Heart)」でキリンジとコラボしており、『関ジャム』の視聴者とも遠からぬ存在である。

 まず番組は、彼女のバイオグラフィーを紹介した。幼少期よりポエムを書いていたAwichは、14歳でラップに出会った。書き溜めていたポエムをラップ調にすると、これが見事にハマったのだ。以来、「私は『ラッパーだ』って言い張ってました」(Awich)とのことである。

 今回、Awichは14歳のときに作ったという曲をスタジオで披露してくれた。英会話スクールの先生がカッコいいアメリカ人で、彼女は先生に恋をしてしまったそう。その気持ちを綴った曲である。内容がまた過激なのだ。

「目をぬすんでみるよこがお また少しDeepにはまったかも
 もうどれくらい あたまからはなれない
 考えられない あなた以外」
「I want you 愛はtrue くるくる まわる あたまんなか
 また まんなかに うつしだされる」
「あなたがはきだす 毎ばんの なみだを
 あたしがぜんぶ うけとめてあげるよ
 この青い白いてで いかせてあげるよ」

 遊び心満載の歌詞にドキッとさせられる。彼女の楽曲「口に出して」を彷彿とさせる危うさだ。

「パーティチューンとかノらせたいとかちょっとエッチな曲でも、最終的には人間に対する理解がちょっとずつ深まっていくようなコンセプトを入れたりしてます」(Awich)

 高校卒業後、Awichは起業学とマーケティングを学びにアメリカへ留学、学士号を取得した。彼女の半生を辿る上で避けて通れないのは、留学中に出会った男性との日々だ。彼とは2008年に結婚し、子どもももうけた。その男性の職はドラッグの密売人で、2011年に銃殺されてしまう。亡夫とのエピソードは楽曲「Ashes」に綴られており、その壮絶なバックボーンは彼女が放つ言葉に図らずも説得力を持たせている。

 そんなAwichが多大な影響を受けたと認めるのは、ローリン・ヒルだ。これまでの作品を聴けば、ローリン・ヒルからの影響は容易に感じ取ることができる。Awichはローリンが活動していたユニット・The Fugeesの楽曲「Fu-Gee-La」が特にお気に入りだそう。そういえば、Fugeesは昨年に再結成世界ツアーを行うと発表、同年9月にニューヨークでライブを行ったばかりだ。余談だが、かつては安室奈美恵もローリン信者を公言、音楽性のみならずファッションまでローリン・ヒルを意識していたものだ。

 番組終盤、AwichとiriはFugeesがカバーしたロバータ・フラックの「Killing Me Softly with His Song」でコラボを披露した。貴重なパフォーマンスだし、聴き応えもあったが、1つ気になったのはバックトラックが薄っぺらすぎたこと。まるで、カラオケの音源みたいだったのだ。これなら、関ジャニ∞が伴奏を担当するセッションでもよかったのでは?

 ちなみに、本日放送『関ジャム』は作詞家・秋元康の特集。ゲストに乃木坂46の齋藤飛鳥も登場するらしい。齋藤といえば、知る人ぞ知るポール・ウェラーのファンだったりもする。

寺西ジャジューカ(芸能・テレビウォッチャー)

1978年生まれ。得意分野は、芸能、音楽、格闘技、(昔の)プロレス系。『証言UWF』(宝島社)に執筆。

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最終更新:2022/03/20 20:00
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