『関ジャム』Awichの“エッチな曲”の裏にある狙い
#関ジャム #Awich #iri
3月13日放送の『関ジャム 完全燃SHOW』(テレビ朝日系)に、ラッパー・シンガーのAwichと、シンガーソングライターのiriがゲスト出演した。
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— 関ジャム完全燃SHOW(テレビ朝日)@kanjam_tvasahi) March 18, 2022
iriの作詞法は桑田佳祐からの系譜?
最近、2人の顔はいろいろなところで見る。Awichは一昨年『ミュージックステーション』(テレビ朝日系)に、今年3月には『スッキリ』(日本テレビ系)に出演した。3月14日には日本武道館でワンマン公演を行ったばかりだ。RADWIMPS「SHIWAKUCHA feat. Awich」でコラボした野田洋次郎は「日本で今1番凄いフィメールラッパーでありシンガー」と彼女を評価したが、Awichをフィメールと区別する必要はなく、純粋に現時点で屈指のジャパニーズラッパーである。
クールでタフなイメージのあるAwichだが、『関ジャム』出演に際し練習したトークをスマホに録り、それをマネージャーに確認してもらったという勤勉さも持ち合わせている。その事実をMCの村上信五に暴露され、「ちょっと待ってください、なんで知ってるんですか!?」と狼狽するAwichがメチャクチャ可愛い。
そしてiriといえば、まず惹きつけられるのは声質だ。どこかLOVE PSYCHEDELICOを彷彿とさせる低音。同番組が前々回に行ったのは「夜の名曲特集」だったが、iriの声も夜にぴったりな“夜ボイス”である。彼女が影響を受けたのは、シンガーソングライターの七尾旅人だそう。
「もともと、人にギターを弾いていただいて私は洋楽のカバーを歌うだけのスタイルだったんですけど、自分で曲を作って弾き語りしたいと思ってたときに旅人さんのライブに行き、旅人さんがガットギターを弾いてたんです。で、自分もそれに憧れてガットギターで弾き語りを始めました」(iri)
数年ほど前、ギターで弾き語りする女性ミュージシャンが多数世に出た。しかし、今も一線で活動しているのはあいみょんとmiwaだけという印象だ。そういう意味でもiriは注目の存在である。
彼女の曲作りは、メロディーと歌詞が同時に出てくるらしい。例えば、スリーコードのループを作ったらフリースタイルで歌詞を乗せ、そこから歌詞を作っていく。iriのルーツはヒップホップ、R&B、ブラックミュージックで、歌詞は自然に日本語と英語が混ざるという。iriが重視するのは言葉の持つリズムで、日本語だろうが英語だろうがあまり関係はなく、それが結果的にグルーヴを生み出す。ここら辺は桑田佳祐的というか、LOVE PSYCHEDELICO的だ。
グルーヴを生み出す秘密は、それ以外にもある。彼女の楽曲「doyu」の歌詞は以下。
「終わんない 終わんない 終わんない どう言う
One night One night One night do you?」
聴き流しているとわからないが、よく聴くと「どっちを言っているんだろう?」と思わせる響きの似た言葉を重ね、気持ち良くなる効果を狙う。古くは、桑田佳祐がKUWATA BAND「スキップ・ビート」で「Sukipped beat」を「スッケベー」と意図的に空耳させていたし、「終わんない」と「One night」に似た響きで言えば久保田利伸が「Oh, What A Night」を「終わらない」とダブルミーニングさせていた。
他にも、iriの曲「fruits」には「羽ばたいて have a nice day」という歌詞がある。「羽ばたいて」と「have a nice day」のフレーズで言えば、KREVAが楽曲「Have a nice day!」で、RIP SLYMEも「Good Day」で押韻していた。日本語と英語の歌詞遊びだ。
iriが「東へ西へ」をカバーした井上陽水も歌詞遊びの代表格だ。古田新太が言及する。
「陽水さんも歌詞だけ見ると全然意味がわからなかったり、『音だけで書きあがったの、こいつ?』みたいな、そういう曲が何曲もあるじゃないですか。言葉の持ってるリズムだけで成立させてしまっているなっていう」(古田)
音楽プロデューサー・松尾潔は「リバーサイドホテル」と「MAP」を例に挙げたが、陽水が作詞したPUFFYの「アジアの純真」なんて本当にわけがわからない。言葉の持つリズムだけで成立させてしまっている。
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