名店再現系・本格しょうゆ味カップ麺3選！　復活した超老舗＆「さくらい」正統継承者争いも!?

鶏だらけのゴールドな一杯！サンヨー食品「麺屋さくら井監修 地鶏醤油味らぁ麺 GOLD」

　最後に紹介するのは、サンヨー食品「麺屋さくら井監修 地鶏醤油味らぁ麺 GOLD」230円（税別）。東京・三鷹の人気ラーメン店、「麺屋さくら井」監修のカップ麺です。

　2つめに紹介した「櫻井中華そば店」と今回の「麺屋さくら井」、どちらも「さくらい」なんですよね。双方とも超人気店なのでカップ麺化されるのはまったく不思議ではありませんが、発売時期が近いのは意図的、作為的なものを感じます。両者は以前にもカップ麺化されており、その時はたったの1週間違いの発売でした。

　発売時期をぶつけるのは、もしかしたら一子相伝の「さくらい」正統継承者争いをカップ麺でやっているのでしょう。だとしたら、どちらかの胸に7つの傷かあるかもしれません。あちらは「日清ラ王」という商品もあるくらいので、こちらサンヨー食品が主人公で弟の方かもしれません。

　ちなみに、こちら「麺屋さくら井」も、食べログの「百名店」に堂々と数えられ、その評価は「3.86」（2022年3月18日現在）で「櫻井中華そば店」とほぼ拮抗しています。両者とも、正統継承者の資格十分の名声があると言えるでしょう。

　鶏ガラベースの醤油味スープに金色の鶏油を浮かせ、ソフト食感の中細油揚げ麺と、肉そぼろやメンマ、ネギなどの多めの具が合わせられています。具のボリュームは今回の3品の中では圧倒的で、低温調理のチャーシューなどが使われているお店の再現性が高いとは言えないものの、充実しています。

　お店と同様に「はかた地どり」を使用している鶏ガラが強力で、旨みが分厚いです。醤油色が濃いのでさぞ塩気が強いのかと思いきや、鶏ガラや鶏油に加えて昆布なども入っており、キレよりも丸みを感じさせました。

　そして主役はスープ表面に浮く金色の鶏油。まるで黄金聖闘士の小宇宙（コスモ）のように光り輝いています。胸に7つの傷を持つ「正統継承者」云々とはお話が違ってきますが、同じ雑誌内なのでご容赦ください。強い鶏ガラに加えてまったりな鶏油がスープを支配することで、これでもかと鶏だらけのスープになっていました。

「鶏」と「煮干し」の両押しで複雑さを強調する「櫻井中華そば店」に対し、「麺屋さくら井」は複雑さもありながら鶏のゴリ押しで、カップ麺向きのわかりやすい味にチューニングされている印象を受けました。

　麺は歯切れのいい中細の油揚げ麺。上の2商品はノンフライ麺で太さや弾力が特徴的なのに対し、こちらは油揚げ麺でおとなしい食感となっており、鶏の強いスープを引き立てる脇役に徹していました。

満足度の高い3商品！

　今後、皆さまのラーメン店巡りに役立ちそうなカップ麺3品をご紹介しました。「淺草 來々軒」は浅草ではなく新横浜の「ラー博」にあること、そして「櫻井」と「さくら井」はどちらも新宿駅から電車一本で行けますが、名前こそ似ていても横浜（保土ヶ谷）と三鷹で路線が違うのでご注意ください。

　いずれにせよ、カップ麺でもこれだけ満足度が高いので、「櫻井」と「さくら井」を間違ってお店に行ってもきっと大満足できるのではないでしょうか。

オサーン（カップ麺ライター）

カップ麺ブロガー＆ライター。ブログで10年以上、5000食以上のカップ麺新商品をレビューしています。@ossern／「カップ麺をひたすら食いまくるブログ」

おさーん