性行為強要の映画監督・榊英雄、無責任すぎるコメントに透ける“映画公開”の魂胆
#映画
ベテラン芸能リポーターの城下尊之氏が、とかくあおり・あおられがちな芸能ニュースをフラットな目線で、おちついて解説!
――3月25日に公開予定だった映画『蜜月』の監督・榊英雄が複数の女性に性的行為を強要していたと報じられ、上映が中止となって問題となっています。
榊監督は謝罪コメントを発表。そこで関係者に謝罪するとともに「事実の是非に関わらず渦中の人とされてしまった相手の方々にも、大変申し訳なく思っております」と謝罪しています。「被害者」ではなく「渦中の人」って、勝手なごまかしですよね。
さらに、「記事の内容につきましては、事実であることと、事実ではない事が含まれて書かれておりますが、過去のことをなかった事には出来ません」ともコメント。だったら何が事実で何が事実でないか、はっきりさせなければ意味がない。すべて一方的で勝手なコメントです。
――確かに、公開中止になったことに対して謝罪していますが、告発した女性たちに対しては心から謝っているようには感じないコメントです。
うまくごまかしているのは、このまま曖昧にしておいてほとぼりが冷めたらシレッと上映しようと考えているからでしょう。『蜜月』はもともと11~12館程度の上映規模でした。半年くらい経てば、小さい映画館なら上映するところがあるかもしれない。1館上映できれば、また別の地域のミニシアターが続けて上映することも考えられる。そうやって、いくつかの映画館で上映できればいい。それがねらいだと思います。
――ええっ、このままうやむやのまま終わらせるんですか。
榊監督からしてみれば、相手女性に対して「もし本当に嫌だったらその時拒絶すればいい。でも拒絶しなかった。合意の上だ」と言いたいわけです。もし訴えられたら、その主張で争うつもりでしょう。確かに、誰も警察には行ってない。本来はすぐに警察に行かないと。
――とはいえ言いづらいですよね。
そうなんですよ。相手は榊監督自身が開催している演技のワークショップに集まった女優の卵や新人。すなわち生徒ですから主宰者には逆らいにくいですし「もしかしたら映画に起用してくれるかもしれないから我慢しなきゃ」と思うかもしれない。その立場を利用したわけです。被害者は文句も言えず泣き寝入りです。しかもワークショップの受講料を出させておいて、手を出している。すべて事実だとしたらかなり悪質、最低です。
――そもそもこの榊監督のことをよく知らなかったんですが、どういう監督ですか。俳優としても活動しているんですよね。
俳優としてはチョイ役で出るくらい。主演格や2番手3番手、あるいは主役を食ってしまうような役者ではありません。それでも女優の卵に対しては「出演している」と偉そうにできるし、「本業は監督」といいように言える。監督としても大作を作る監督でもなければ、代表作がある監督でもありません。ただ、ミニシアター系の中では変わった映画を撮る監督であると知られていたようで、『蜜月』も「家庭内の性被害」をテーマにした作品。その映画を撮った監督が性加害とはひどい話です。
一報が出たときに、知り合いの映画プロデューサーが「やっぱりなと思いました」と言っていました。その界隈では「女グセが悪い」と評判になっていたそうです。「被害者はもっとたくさんいるはず」とも言っていましたね。実際、新たな告発が報じられています。
――被害者がかわいそうなことはもちろん、『蜜月』の関係者もお気の毒です。今後どうなるんですかね。
すでに映画は完成しているので、製作を回収しないと出演者のギャラの支払いもできません。製作費1億円という報道も一部でありましたが、おそらくそこまではかかっていないはず。Vシネマ1本の製作費が1000万円弱なので、規模が小さな映画ですから3000万円前後では。完全にお蔵入りになるのか、先程言ったようにシレッと上映して回収するのかまだわかりません。榊監督による別の映画『ハザードランプ』は予定通り4月15日に公開するそうです。
――まずは榊監督にはきっちりと真実を明らかにしてほしいですね。
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