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日刊サイゾー トップ > 連載・コラム  > 甘さひかえめな女性たちのアクションの魅力

『ガンパウダー・ミルクシェイク』血しぶきマシマシ甘さひかえめな魅力

『ガンパウダー・ミルクシェイク』血しぶきマシマシ甘さひかえめな魅力の画像1
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 3月18日より、アクション映画『ガンパウダー・ミルクシェイク』が公開されている。その刺激的な内容を、まるで「任侠やくざ映画」のように紹介したWEB限定予告編が最高の仕上がりとなっているので、まずは観ていただきたい。

 この通り、「銃弾!血しぶき!硝煙!あらゆるスパイスが融合した、ポップでカラフルな、超劇薬ムービー!」に期待すれば、きっと満足ができる痛快な娯楽作に仕上がっていた。さらなる魅力を記していこう。

満身創痍になるバイオレンスな戦い

 あらすじはこうだ。12歳の時に母に置き去りにされたサムは、それ以来ずっと母と会うこともなく、 母と同じ殺し屋の道を歩んでいた。サムは会計士に盗まれた大金の回収というミッションに赴くが、とある大きなミスを犯してしまい、ターゲットの娘エミリーと知り合い逃避行をすることになる。

 主人公は銃火器の扱いや格闘技に長けたスゴ腕の女性殺し屋だったが、期せずして幼い少女を守らなければならなくなり、そのために属していた組織から追われるばかりか命を狙われてしまうという、ハラハラするシチュエーションが基本に据えられている。殺し屋と幼い少女の組み合わせから、『レオン』(94)を思い出す方も多いだろう。

 加えて特徴的なのは、主人公が「満身創痍」になっていくこと。追っ手の中には「三バカ」と呼ばれる間抜けな男どももいるものの、彼だって決して弱いわけではない。中盤からはとある「ハンデ」を背負ったまま、しかも少女を守りながらの対決を余儀なくされるし、大物が背後にいることもあって次々と送り込まれる刺客の人数も尋常ではない。PG12指定納得のバイオレンスや流血シーンも、その過酷さを表現するために間違いなく必要なものだった。

 決して楽しく相手を蹴散らすだけのお気楽なアクション映画ではなく、息も絶え絶えの苦戦が丹念に描かれている、「甘さひかえめ」というキャッチコピー通りの内容になっている。「子連れの殺し屋」という設定そのものが面白く、さらに「その手があったか!」と思う斬新なアイデアもあるのもたまらない。『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』(14)などで知られるカレン・ギランの、苦渋の表情を浮かべながらも確かな信念を持ち戦い抜く熱演にも期待してほしい。

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